番外編
002
シュナイダーが連絡をしてから、数日後のある日。
シュナイダーは、医療室にシャナメルを呼び出した。

『シュナイダー先生……?』
「コイツは、おれの同期で、セイレーン族の専門医のオカマーーー「誰がオカマよ!!」……ぐはっ」

スパコーン!!と医学書で頭を叩かれるシュナイダーと、にこにこ、と、人懐っこい笑顔を浮かべ、分厚い医学書を持った女がいた。

「ナターシャよ、宜しく」
『………あぅ』

不安な眼差しでナターシャを見る。

「ねェ、シュナイダー。この娘に、番は居るの?」
「………」
「シュナイダーってば」
「………」
「何時まで寝てんのよ!!」
「ぐはっ!!」

スパコーン、と、再び、シュナイダーの脳天に医学書が炸裂。

『ふぇっ!!うわぁあんっ!!エースくーんッ!!この人、怖いーーーー!!o(T□T)o』
「メルッ!!!」

バンッ、と、勢い良くドアを開け、ギュッ、とシャナメルを抱き締めるエース。

「メルが居ない所でやれよ!!メルが怯えてるだろ!!!」
「シュナイダーは、平気よぉ。アンタは?」
「おれはエース。メルはおれの嫁だ」
「あらあら。番が居たのね。なら、話は早いわ。この娘、発情期に入ったのよ」
「は?」

聞き慣れない言葉を聞いたエースは、素頓狂な声を上げて、ナターシャを見た。
ナターシャは、クスクス笑う。

「発情期よ、は・つ・じょ・う・き!!!シュナイダーがその娘から話を聞いてくれたお陰で、診断がしやすかったわ。セイレーン族の純血種、しかも、番を持つ女のみにある周期よ」
「マジか?!!」
「大マジよ。不定期に来るから、質が悪いんだけど、その原因として上げられるのは、子供が欲しい、って云う想いから来ているとされているわ。まぁ、エースって云ったっけ?その娘が満足するまで、部屋に籠ってーーーーって、居ないわね(--;)」

ナターシャが「大マジ」と云った瞬間、シャナメルを担ぎ上げ、そのまま、部屋に直行したのは云うまでもなく。

「まぁ、若いから大丈夫か。かーなーり、我慢してたみたいだからねェ。押さえていた性欲に、旦那が耐えうるかどうか……。健闘を祈るしかないわね。ほら、何時まで寝てんのよ、さっさと起きなさいよ」

床とお友達になっているシュナイダーを抱き起こし、バシバシ、と往復ビンタを食らわせたナターシャであった。





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