番外編
007 (Rー18)
翌日。
柔らかな日差しが、窓から差し込む。

『……ン…』
「くかー……」

ふるっ、と、瞼が震え、ゆっくりと目覚める。

『……ここは…?』

ゆっくりと起き上がると、辺りをきょろきょろ、と見回す。

『何で、エースくんの部屋……しかも、何でボク、裸体???』
「……メル?」

少し、眠そうな声音で、シャナメルの髪を梳く。

『エースくん……?』
「寝たの遅いんだから……もう少し……」
『ねぇ、何でボク、エースくんの部屋に居るの???』
「覚えてねェ……の?」
『何を?』

きょとん、としているシャナメルに、エースはガバリ、と起き上がる。

「………昨夜の事」
『お酒を呑んで……ふわふわな気分になったのは覚えてるよ。でも、その後は覚えてない……』
「……マジでか(--;)」

エースは盛大な溜息を吐くと、

「昨夜、酔っ払って、おれにキスはするわ、セックスは迫るわ……」
『ウソッ』
「おれに"コレ"付けたの、メルだぜ?」

エースは、自分の胸元に散る赤い花弁を指差す。
それを見たシャナメルは、顔面蒼白になる。

「まぁ、おれも男だし?可愛い"嫁"のお願いは叶えてやりてェから、たっぷりと抱いてやったけどな。それに、あのメルは可愛かったし(*^^*)」

腰に残る鈍い痛みと、胸元に散った無数の花弁が、エースの言葉が事実である事を告げる。

[孔があったら入りたい……(T-T)]

シャナメルはそう思う。
しかし、記憶が無くなるなんて思っても見なかった。
ただ、勧められるがままに酒を呑み、気分が良くなった。
その時、不意に寂しくなった。
寂しくて、寂しくて、急にエースに居て欲しくなった。
太陽の様な笑みで、愉しそうに笑うエースを独占したい、側に居て欲しい、と、願った。
それが爆発してしまったようだ。

「メル?」
『ごめんなさい……ッ』
「謝るな。責めてる訳じゃねェから。後、迫るのはおれだけにしとけよ?」
『他の人にも……?』
「いや。キスもセックスもおれだけ。てか、おれ以外にさせねェ」
『良かった……』
「ケド、マルコに絡んでた」
『!Σ(×_×;)!』

エースの言葉に、シャナメルは、ブルーバックを背負い、俯く。
記憶がないのが、哀しい。
記憶があれば、謝罪も出来よう。
しかし、どのように絡んだのか、全く検討がつかない。

[ど、どうしよう……]

シャナメルの頭の中は、"やってしまった。どうしよう"、と、云う考えが巡る。

「気にすンなよ。マルコも"絡まれた"、なんて思ってねェからさ」
『でも……ッ』
「おれから、謝っとくし……。ンな事より……」
『…きゃあっ』

どさり、と、エースの腕により、シャナメルはベッドに押し倒される。

「ゆっくりしよーぜ?」
『エースくん?』
「メルと二人きりで、のんびりした事がないからさ」
『………ぅん』

シャナメルは、エースの腕に頭を乗せて、甘える様に、頬を擦りよせる。
エースは柔らかく微笑みながら、シャナメルの頭を撫でる。

[もう、お酒は呑まないもん……多分]

そんな事を思いながら、シャナメルは、エースの温もりに瞳を閉じる。

「なぁ、メル」
『ん……?』
「抱いてもい?」
『へ?』

ぎょっとした眼差しを向けるシャナメルと、欲望の混じった眼差しで、シャナメルを見つめるエース。

『だっ、ダメだって……んぁッ』
「眠たくなるようにしてやっからな(*^^*)」
『エースくんッ(;>_<;)』
「メルをその気にさせるのは簡単♪」
『やんんッ、あっあ…!!』

昨夜の余韻に、再び火が灯る。
指先が、シャナメルの肌を滑る。
ゾクッ、とした甘い痺れが背筋を走る。

『らめ…ッ、やぁッ』
「ほら、ココ、好きだろ?」

くにゅっ、と、指先が胸の果実に触れ、ツマミを回す様に動かす。
シャナメルの身体がはね上がる。
その様子を愉しそうに見つめながら、エースはシャナメルの乳房にしゃぶりつく。

じゅるっ、ちゅば、じゅるる……。

吸い付く音が、シャナメルの鼓膜を突く。
肉厚な舌が、胸の果実の感触を味わう。

『はぁあっ、エースくん……ッ』
「メル、愛してンぜ?」
『…ボクも……ッ。だから……ッ』
「ダメ。もっと堪能してェ」
『ひぁあっ』

シャナメルの全てを堪能するべく、お願いも却下。
朝から、エースの手管によって、翻弄され、欲を満たす一日となり、エースの機嫌が頗る良く、シャナメルはエースの部屋から出れなかった。




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あきゅろす。
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