番外編
005
『エーチュ〜……』
「ん……って、わぁッ!!何やってんだ!! 」
ちゅう、と、音を立てて、胸元に噛みつくシャナメルを引き離す。
エースの胸元に、紅い花弁が散る。
『ボクにょちるち(*^^*)』
「………」
ぷつん、と、音を立てて、理性の糸が切れた。
ここまで挑発したんだ。
シャナメルが酔ってようがいまいが、全く関係ない。
「メル」
『なあに?』
「しても良いけど、メルがおれをソノ気にさせてみろよ」
『……ちょにょき……』
シャナメルは、にぃ、と、猫の様に目を細めた。
ゆっくりと、胸の筋肉の狭間に舌を這わせる。
エースは、何処か冷めた目付きで見ていた。
どうせ、人を昂らせただけ昂らせておいて、寝るんだろう。
そんな予感がしていた。
そうとは知らずに、シャナメルは、胸の飾りにキスを落とすと、ちゅう、と、それに吸い付く。
「擽ってェ」
『味、ちない……(-""-;)』
「女じゃねェし……。母乳っての?出ねェ」
『………味ちにゃあっ(*`Д´)ノ』
「おれに怒っても……(--;)」
流石は酔っ払い。
意味不明な事柄で怒る。
[絶対に酒は呑まさねェからな]
まだ、自分だけが相手ならキスやセックスを迫るのは構わないが、自分以外の男に、キスは強請るわ、セックスを強請る等をされるのは嫌だ。
エースに、そう決意させるのには充分で。
そんな事を考えていると、かちゃかちゃ、と、ベルトのバックルが外され、半勃ち状態の陰茎が、外気に晒される。
「………ッ」
『んッ……んん……ぅ』
ジュプ、ジュポッ、と、陰茎を口に含み、むしゃぶりつく。
卑猥な水音が鼓膜に届く。
「は……ッ」
『んぅ……んんッ…気持ちい?』
シャナメルは、陰茎から口を放し、エースを見上げる。
「あぁ。たまんねェ」
『んッ……ふぅ』
再び、エースの陰茎を口に含み、ちろちろ、と、稚拙な動きなれど、肉厚の舌が動く。
ゆらり、と、エースの腰がゆっくりと動き出す。
[稚拙なのがたまんねェ…]
商売女と比較すれば、シャナメルはド下手だ。
上手だったら、ショックを隠せない。
シャナメルにフェラチオを教えた男達を、殺してしまいそうになる。
けれど、そうではなかった。
シャナメルの"処女"を全て、自分が手に入れた。
そんな気持ちの高揚が、エースを快感の高みへと押し上げていく。
『んぷっ……んッ、んんッ』
「メル……ッ。悪りィッ……!!出る……ッ」
『んッ、んんッ!!』
ジュプ、ジュプ、と卑猥な水音が激しさを増す。
エースの動きが次第に速さを増す。
「……ッは…!!」
『ンぐッ……んんッ』
どくり、とシャナメルの咽喉に、欲望が弾ける。
全ての欲望が弾けた後、ぬる…、と、口内から陰茎が抜かれる。
「平気か……?」
『ん……』
「飲みきれねェのは吐き出せ」
『???』
「飲んだ……のか?」
『ん……らめ?』
口元を拭いながら、きょとん、とした眼差しを向けるシャナメル。
フェラチオ初心者の大抵は、精液の味が味だけに吐き出したりするのが多い。
けれど、シャナメルはそれを飲み干し、にぃ、と猫の様に笑う。
「ダメじゃねェけど……」
『エース……ちよ?』
「ヤリ過ぎても、文句云うなよ?」
『云わにゃあ』
クスッ、と笑うと、シャナメルを抱き上げ、ベッドへと下ろす。
『エース…大好き』
「あァ。おれも……」
ぎしり、と、二人分の体重を受けて、ベッドが悲鳴を上げた。
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