まぼろばの蒼月
014 ルフィside
「……ンだよ。エースの奴…」

話したい事がいっぱいあった。
それなのに、エースの頭の中は、あのシャナメルと云う女の事でいっぱい。
エースが理解出来ない。
小首を傾げていると。

「麦わらの。理解出来ねェかい?」

ルフィの様子を静観していたイゾウが声を掛ける。

「出来ねェ」
「ハハハ。オメェにも惚れた女が出来りゃあ、エースの気持ちが判るぜ」
「惚れた女、なァ…」
「おいおい。その歳になって、まさか、好きな女が居なかった、なんて云わねェよな?」

イゾウとサッチは、ルフィを興味津々な眼差しで、見つめていた。

「ソイツは、お子ちゃまだからな。恋愛なんざした事ァねェ」

突如、舞い降りた声に振り返れば。

「赤髪…?!」
「シャンクス!!」

パァッ、と、表情が明るくなるルフィと、嫌そうな表情のマルコ達。

「末っ子(エース)はどうした?」
「絶賛イチャつき中」
「ハハハハハ!!そいつァ残念だ」

愉快そうに笑うシャンクス。
その言葉に、マルコは怪訝そうに眉を寄せる。

「シャンクス。テメェ、何しに来やがった」
「温泉の島に来たんだぜ?温泉を堪能しに来たに決まってンだろ」
「フン。そりゃあ建前で、シャナに会いに来たンだろうが」

冷たい視線がシャンクスを射抜く。

「ハハハハハ。興味が無いとは云わねェな。末っ子が、口説きまくった女にはな」
「グラララララ……赤髪。おれの娘にゃそう簡単に逢えねェぞ」

ザバ、と、上がると、「出るぞ」と、告げてさっさと脱衣徐に向かってしまった。
シャンクスは、「やっぱりね」と告げた。

「何で?」

きょとん、とした眼差しでシャンクスを見る。
すると、シャンクスの大きな掌が、ルフィの頭に乗る。

「末っ子にとって、シャナメルは大事な存在。誰にも触れさせたくねェのさ。何時かーーー……、ルフィ、お前にも判る日が来る」
「そんなもんか?」
「おいおい。コイツの女関係どうなってンだよ」
「まさかドーテーくんか?」

シャンクス達の会話が、エース達から外れ、ルフィの女関係から下世話な話に発展する迄………後、五分。




「…………(--;)」
『…………』
「グラララララ!!」

エースに抱き抱えられながら、食堂に姿を見せたシャナメルは唖然呆然。
自分達がイチャついている間に、何が起こったのだろうか。

「湯中りを起こしたんだ。まだまだだな!!」
「…………バカじゃね?」
「エース……覚えてろよぃ( ̄^ ̄)」
「何でおれ!!関係ねェだろ!!」
『云っちゃイケナイ事を云ったんだよ(--;)』

湯中りを起こした身体では、エースに拳骨すら落とせず。
マルコ達は、食堂のテーブルに突っ伏していた。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!