まぼろばの蒼月
002
温泉の島に辿り着いた、白髭海賊団。
降り立ったのは、ニューゲート、マルコ、イゾウにサッチ。
そして、エースとシャナメル。

「メル、荷物貸せよ」
『良いよ。自分で持てるから』
「良いから」

シャナメルのリュックサックを奪い取ると、自分のリュックサックと共に、肩に担ぐ。
そして、手を繋ぎ歩き出す。
シャナメルは、方向音痴の気がある。
それ故、エースと出掛ける時は、必ずと云っていい程、手を繋ぐ。

「イチャつくのは、二人きりの時にしろよぃ」
「マルコもさっさと嫁貰え」
「……💢」
『……二人ともッ。白ひげさん行っちゃうよ?』
「親父ィ!!!」
「グラララララ!!置いてくぜ!!グラララララ!!」

盛大な笑い声を上げながら、イゾウとサッチを引き連れて、大股で歩き始めたニューゲートを追いかける様に、エース達は走り出した。





◇◇◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆◇◇





逗留する宿に着いたエース達は、それぞれ与えられた部屋に荷物を置く。
部屋割は、マルコとニューゲート。イゾウとサッチ。
そしてエースとシャナメル。
本来ならシャナメルは一人部屋、と云う事だったのだが、一人だと危険だ、と云う事で、エースと同じ部屋になった。

『………白ひげさん、何か狙ってる?』
「そりゃあ、"ハネムーンベビー"だろ」
『は?』
「孫が欲しいンだろ。今夜、仕込もうな」

ニシシ、と笑うエースに、シャナメルは額を押さえた。

「何だったら、今から仕込む?」

ジリジリ、と、エースが近付いてくる。

『……ダメだったら!!』
「えー……」
『…えー、じゃないってば。その顔は単にシたいだけでしょ』
「メールー」
『きゃっ』

ドサリ、とシャナメルをベッドに押し倒す。
そして、上にのし掛かる。

「なぁ、メル。1回だけ」
『………もぅ…。1回だけ、だよ?』

シャナメルも、エースにゃ甘い。
エースが少し、拗ねた態度を取ると、つい甘やかしてしまう。

『……エースくん…』
「メル……」

お互いの顔が近付く。
後少し、もう少し……、そんな瞬間。
しかし、世間はそんなに甘くない、と云う事を体験する。

ドンドンドン!!!

ドアを破らんと云わんばかりの、叩く音。

「エースー!!!」
「………」
『…ちょっ……エースくんっ!!!』
「良いって。無視、無視」
『ダメだったら』
「エースー!!!!」

ドンドンドン!!!

ドアを叩く音が強くなる。

「チッ」

小さく舌打ちをすると、エースは不機嫌丸出しのオーラと表情で、

「何処の誰だよッ!!折角、良いトコだったのに邪魔しやがって!!!」

と、乱暴にドアを開けた。





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