まぼろばの蒼月
おまけ
メルの家出事件解決から、数日。
エースは、甲板にてシャナメルの膝を枕にし、エースはごろり、と寝転がっていた。
以前のシャナメルは、膝枕、なんてなかなかしてくれない。
エースもシャナメルに気を使ってか、強引に出る事が出来なかった。
が、シャナメルの"心の内"を知った今では、ワガママを云う様になった。
そして、シャナメルは『もう……仕方ないなァ』と云って、してくれるようになった。

「メール」
『ん?』
「こっち見て」
『どうかし……んッ』

ちゅっ、と小さなリップ音。
エースを見ると、"してやったり"と悪戯を成功させた子供の様に、"ニシシ"と笑っていて。

『……バカ』

かぁっ、と、頬を赤く染めて、視線を泳がせる。
この辺はまだまだ初々しい。

「かーわい」
『……知らない』

プイッ、とそっぽを向く、その姿がまた、可愛らしい。

[もう1回、キス出来っかな?]

エースはそっぽを向くシャナメルに、手を伸ばした、その時。

「ちょっとごめんよ〜」

ガシッ、ケリッ、ゴンッ。
小気味良い音が3連発。

「痛ってェ!!?」

エースの足を態とらしく蹴って通る、ジョズ、サッチ、ハルタ。

『ダイジョブ?』
「メルー、痛い〜」
「メルちゃん、甘やかさねェの」
「エース、大した怪我じゃねェだろ」
「イチャつきやがって」

各々、自分勝手な感情を呟く。
「メル〜、サッチ達が苛める〜…」と云って、ちゃっかりと、シャナメルの腰に抱き付くエースに、シャナメルは苦笑いを浮かべる。

『かわいいからって、あんまり、うちのエースくんを苛めないで下さいね』

よしよし、と、抱き付くエースの頭を撫でる。

「メルー」
『はいはい。よしよし』
「…………隊員には見せらんねェ様だな」
「右に同じ」

等と呟き、エースとシャナメルのイチャつきを見つめていた。

そんなある日の日常。



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