まぼろばの蒼月
012
エースの手によって、寝室へと運ばれたシャナメルは、ふぃ、と視線を反らす。
ギシリ…、とベッドが軋む。

「メル……」

優しい声音が、降ってくる。
ドキンドキンドキン……、と、煩いぐらい鳴り響く鼓動。
ぷちん、ぷちん、と、シャナメルの上着のボタンが外されていく。

『…あ……ッ』

上擦った声音と、潤んだ眼差しがエースを見つめる。
クスッ、と、柔らかく笑うと、

「優しくする……」

と耳元で囁き、耳朶を甘噛すると、ピクッ、と小さく反応を示した。
吐息が首筋を擽る。
キュッ、と、シーツを握り、甘く擽ったい感覚に堪える。

『あ…んんッ』

耳朶から、首筋に唇が触れ、ペロッ、と舌が舐める。

『…んぁッ』

はらり、と、上着の前が開かれ、シャナメルの乳房が現れる。
下着越しにエースの大きな掌が、乳房を包む。
布が肌に擦れる音と、優しく揉まれる感覚に、シャナメルは、上擦った声を上げる事しか出来ない。

「メル……、可愛い」
『バカ……ぁあっ』
「クスッ」

悪戯な掌が、下着と乳房の隙間から入り込み、直に乳房を揉む。
びくっ、と身体が震える。
揉まれる感覚に、シャナメルの吐息が甘くなる。

『はぁ……ぅ…んッ』

ギシリ、とベッドが悲鳴を上げる。
シャナメルの喘ぎ声を聞きながら、エースは、愛撫の手を休めない。
シャナメルの意識が、快感に向いている間に、シャナメルの身体を覆う衣服を全て剥ぎ取る。

『……あ、やぁッ』

脱がされた事に気が付いたのか、シャナメルは慌てて、胸を覆い隠そうとする。
けれど、エースがそれを赦す筈もなく。

「隠すな。メルの全部、見てェんだ」

その腕をシーツに縫い付ける。
シャナメルの全てを視野に収め、ほぅ、と感嘆する。

「綺麗だ……。メル」
『……バカ』
「バカで良いンだよ。バカで」
『……知らない…ぁッ』

ちゅっ、と、シャナメルの胸の谷間に顔を埋め、きつく吸い上げる。

『あ……やぁッ』
「メル……」

唇を離した後に残る、紅い花弁。
それを満足したかのように、目を細め、笑う。

「おれのシルシ」
『…え?』

はぁッ、と甘い吐息を溢しながらエースを見つめる。
その紅い花弁を舌先で掬い上げる様に舐めた。
そして、乳房の頂で震えている果実に唇を落とす。

『んぁッ……ぁッあ!』

乳房にむしゃぶりつくエースの頭を抱き締める。
それに気を良くしたエースは、口に含んだ果実を転がすように、舌先でなぞる。
空いた乳房に掌を這わせ、むにぃ、と、乳房の下から揉み上げる。

『ひぁあッ、ぁッ、あぁんッ』

いやいやをするように頭を左右に振る。
吸われる感覚と、揉まれる感覚に、どうしたら良いのか判らない。

じゅる…ちゅばっ……じゅるる…。

果実に吸い付く音が、シャナメルの羞恥心と快楽を煽っていく。

『あっ、あっ、あ……やぁっ』

白い肌がうねる。
エースが与える快楽に、逃れる術を持ち合わせていないシャナメルは、ただただ、身を任せるしかなかった。




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あきゅろす。
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