まぼろばの蒼月
004
「メル、行くぞ」
『うん』

シャナメルからデートの誘いを受けてから数日後。
モビーディック号は、日常必需品を買う為に、とある島に立ち寄った。
そして、シャナメルとの約束を果たす為に、島に降り立った。

「買い物って何買うんだ?」
『……マグカップ』
「…じゃあ、雑貨屋か」

それだけを云うと、二人は町の中へと消えていく。

「後をつけるぞ」
「………止めとけよ、サッチ、ハルタ」
「シャナがエースの毒牙に掛かるンだぞ!!」
「こんな面白い事を見逃す手はねェよ」

ニシシ、と意地の悪い笑みを浮かべるが、冷たい銃口が首筋に当たる。
ゾクッとした感覚がサッチとハルタを襲う。

「あの二人の邪魔はさせねェ」
「そっとしておいてやれよぃ」

鋭い眼差しを向ける。

「何でだよ!!」
「そんなに体力が有り余ってンなら、訓練でもするかよぃ」

マルコとイゾウの背後に、恐るべき物が見える。
サッチとハルタは、「ワカリマシタ」としか云えなかった。




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