まぼろばの蒼月
001
突如、"親父"こと白髭海賊団の船長である"エドワード・ニューゲート"の気紛れで、名も無き島に上陸する事になった。
爽やかな風が頬を撫でる。
島の雰囲気からして、平和そのものなのだろう。

「久々の陸だぜ」
「今回は、航海の必需品を揃えるだけだからな。下らねェ騒ぎ、起こすんじゃねぇよぃ。特にエース」
「何でおれだよ!!」
「グラララララ…おめェが心配なんだろうぜ。前の島でも騒ぎを起こしたんだからな」

その言葉に、エースと呼ばれた青年は何も云えなかった。
騒ぎを起こしたのは事実。
だが、調子に乗って、サッチやハルタも騒ぎを大きくしたのに、怒られたのは自分だけ、と云うのは納得がいかない。
けれど、ココで歯向かったら、外出禁止と云われかねない。
それ故、エースは何も云わなかった。

「マルコ、おめェが着いて行け」
「マジかよぃ!!」
「ゲッ」

ニューゲートは「グラララララ…」と、盛大な笑い声と共に、船内へと戻って行った。
どうやら、監視付きと云うのは、"船長命令"であった。

「仕方ねェ」
「チッ」

小さく舌打ち。
その様を見たマルコは小さく溜息を吐いた。
この時の2人はまだ知らない。
この島で、とても"愛しい"娘に逢うなんてーーーー………。






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