まぼろばの蒼月
003
「そうだよ。おれはズリィンだよ」
クスクス笑いながら、耳元で甘く囁かれ、ゾクゾク、と、快感が背筋を走る。
『ンッ、は、ァン』
エースの手管によって開発された身体は、快楽に従順で、シャナメルの意思を問わず、快感に身を委ねてしまう。
ぎゅっ、と、シーツを強く握りしめ、牙を剥く快楽に堪えている。
「メル……」
ちゅ、と、強めに首筋に噛みつけば。
紅い花弁が、白い肌に舞い散る。
『ひぁ……ンッ』
甘い吐息を洩らしたシャナメルの視線と交差する。
「背中に手、回して……?」
『んんッ……あ……!』
服の上から、ムニムニ、と乳房を優しく揉む。
『エースく……ッ』
「かーわい(*´∀`)♪」
快楽に身を委ねる時のシャナメルの表情は、普段のシャナメルとは違い、涙で滲んだ瞳、紅潮した頬、甘い吐息が洩れる口唇。
その痴態が、エースの下半身を直撃する。
[たまンねェ……]
自分の手管で変わって行くシャナメル。
そんなシャナメルが愛しくて仕方がない。
そっ、と、顔を近付ければ、薄く口唇を開けて、キスを強請る。
「クス」
『ンッ……ンン』
無意識に強請るキスを与えてやれば、自然と、背中に腕が回る。
くちゅ、ちゅう、くち、くちゅ……。
水音が響く。
『ふぁ……ンッ』
「まだ、終わらせ、ねェから……」
『ふ、やァ……ッ』
吐息までも奪い取るような激しいキスに、シャナメルの目尻から、ほろり、と、涙が溢れ落ちる。
『んは……ァ……ッ』
ゴソッ、と、シャツの裾より侵入したエースの指先が、シャナメルの肌を滑りながら、上へと上がっていき、胸の谷間を擽る。
互いの熱が高まる。
そんな時ーーーーー………。
「エースよォ、居る………かァ!!?」
ガチャリ、と、ノックもなしに入って来たのは、サッチ。
ぎょっ、と、した眼差しを向けるのと同時に、
『うきゃあっ!?』
「サッチィーーーー…(`□´)!!!」
「うわぁあっ!!」
三人三様の悲鳴が木霊する。
シャナメルは顔を真っ赤に染め上げ、素早く、エースの後ろに隠れ、エースはサッチを鋭い眼差しで睨む。
「わっ、わっ、悪いッ!」
「ンなで赦せるかァ!!!?折角、メルがその気になったってェのに!!!」
『信じらんないッ!!』
朝っぱらから、まさかヤッてはないだろう、と、踏んだサッチの予想は大きく外れ、最中、なんて思っても見なかったのだ。
エースはエースで、なかなかその気にならないシャナメルが、漸くその気になったのに、妨害されてしまった事に腹を立てていた。
シャナメルは、あられもない姿を見られた事がショックで、リンゴの様に頬を真っ赤に染めていた。
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