消えない虹の向こう側へ
キリンくんとメダカくんとハチミツくん
トコトコトコ……。
メダカくんと手を繋いだまま、歩く。
繋いだ手が、とても、暖かい。
触れ合う掌にある、無数のタコ。
それは、努力の証。
部活をしない者達や努力をしない者達には、理解出来ない程の努力を重ねたのだろう。
目的地(エントランス)に着いたら、その手を離さないといけない。
ーーーーー……離したくない。
そう思った瞬間、かぁあっ、と、頬が赤く染まる。
胸が、ドキドキ、する。
どうして?
奏荼は小首を傾げた。
「ウス!」
「ふぎゃあっ!!」
「うおっ!!」
三者三様の驚きを見せる。
「『ふぎゃっ』って叫ぶの癖ッスか(--;)」
「あ〜、吃驚した。キリンくんかぁ」
ドキドキ、と鳴り止まない胸を押さえて、奏荼は溜息を吐いた。
「奏荼……さん。何処に……行っていたんですか…?」
「メダカくんを何処で拾ったっけ………?」
「立海(ウチ)の宿泊フロアッス……ってか、拾われたのはアンタで、拾ったのは俺ッス(--;)」
「だってさ。キリンくん」
ニコニコ、と笑う奏荼に、崇弘は小さく溜息を吐く。
「これから、合同会議(ミーティング)が始まります……。参加して下さい……」
「………ボクはメダカくんと一緒にいるもん。会議には参加しなーいもん(# ̄З ̄)」
「いやいやいや!!俺も参加しないといけないッス」
「ねー、メーダッカくーん、サボろうよぅ(><)」
「ほぅ。俺の前でそれを云うとはな(-""-)」
その言葉に、奏荼はギクリ、と身体が強ばる。
ギギギ、と、壊れた錻(ブリキ)の玩具のように、硬い動きをしながら、振り返る。
そこに居たのは、腕を胸の前に組みながら、眉間に皺を寄せている国光が居た。
「ハッ、ハッ、ハチミツくんッ!!(゜ロ゜ノ)ノ」
サッ、と、赤也の背中に隠れる奏荼。
「…………」
「…………」
「…………」
バチッ、と、奏荼を除く三人の視線が絡む。
「奏荼」
「会議(ミーティング)には出ないぞっ!!ボクはメダカくんと遊ぶんだい(# ̄З ̄)」
「だーかーら!!俺は会議に出ないといけないんだよ!!」
「サボろうよぅ(><)」
「……奏荼さん!!」
怒りに、右眉がピクリ、と、揺れる国光と、「メダカくんと遊ぶんだ」と云って聞かない奏荼と、説得をしようと試みる崇弘と赤也の云い合いは続いたのであった。
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