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Short Story
【Bold Plan】ペルソナ4アンソロ(主人公×直斗)
白鐘直斗は困っていた…。

今、彼は自宅のキッチンに居る。目の前にはお菓子を作るための道具と大量の食材が並べられていた。
「さて…どうすれば良いのでしょう?」
手には”はじめてのバレンタイン!彼のハートを射止めろ”と、やや胡散臭い感じのタイトルをした本を持っていた。
そう明日は年に一度のバレンタインデー女の子が好きな男の子へチョコと一緒に愛の告白をする某お菓子メーカーが仕組んだイベントである。
今まで探偵として生きるため”男の子”として振る舞ってきたが、去年、自ら事件の囮となった際”女の子”という事がバレてしまった。最初は女の子として扱われる事に戸惑いを感じていたが、今では女の子として生きる事が嬉しかった。
去年、月森先輩と一緒に別の事件(直斗の祖父が仕組んだ物)を解いていたとき犯人(執事)がナイフ(偽物)を向けた時、とっさに自分を庇ってくれた。最初は
「自分の身くらい自分で守れる」
と怒ってしまった。何故そんな行動を取ったか理由を聞いた時に
「好きだから」
と、いきなり告白されてた。初め何を言われたか理解が出来なかった。それほど動揺してしまったのだ!
普段の月森先輩はクールで時々、相手を動揺させるほど大胆な発言をし、そのギャップで多くの人を引き付ける。
それに加え、スポーツ万能、成績優秀、料理の腕もプロ級!まるでアニメのヒーローのような存在の彼に直斗自身も憧れを感じていた。自分が憧れていた男性像が彼なのではないのかと…。だが、それも彼の告白で憧れは”好き”という想いからきている事に気付いた。
次の日に事件のラストを解決するため高台へといき事件を解いた時に、ここまで付き合ってくれた御礼と自分の素直な気持ちを彼に伝えた
「…貴方が好きです」
と。最初は驚いたような顔をしていたが直ぐに笑顔になり晴れて両想いとなった。

それから直ぐに、生田目を逮捕→稲羽市攻略→事件解決→クリスマスと慌ただしい年末だったため2人が付き合いだした事を皆には、まだ言い出せずにいた。

【バレンタイン前日】
今日は朝から放課後まで男女の興奮が収まらないでいた。明日がバレンタインデーなので女子は”誰に上げる”とか”告白する”など話しており、男子は”誰から貰えそうだ”や”彼女が欲しい”など、様々な黄色い声がなり止まなかった。
自分は関係ないと思っていたが
久慈川さんが、いきなり
「これから、ジュネスに集合だよ」
と強引に連れて来られた。特別捜査本部には既に天城先輩と里中先輩の姿があった。
「スイマセン!お待たせしました」
急いで僕も席に座らせ、久慈川さんも席に着くと、天城先輩は読んでいた雑誌から顔を上げ
「私達も、来たばかりだから大丈夫だよ」
「よーーし!早速決めようか」何故か張り切っている里中先輩!しかし自分は何故ここに連れて来られたか分からなかった?仲間で集まるにしても男性陣の姿は無い。
「あの、何故ここに連れて来られたのですか?しかも女性陣だけ集まって?」
直斗の疑問に2人は目を丸くした!
「えっ!もしかして、りせちゃんから聞いてないの?」
「里中先輩、最初から直斗に言ったら絶対来ないじゃないですか」
「それもそうか」
何やら納得した感じで…すると天城先輩が、さっきまで自分が 読んでいた雑誌を差し出すと表紙には”バレンタインチョコの作り方”と書かれていた。
「……。」
短い沈黙あと、直斗は鞄を持ち帰ろうと立ち上がると天城先輩に腕をガッチリ掴まれた。
「逃がさない」
笑みひとつないトーンの低い声 で言われ周りはフリーズ状態となるこういう時の天城先輩には逆らわないほうが身の為である。観念して椅子に座るが…
「義理チョコでも作って、皆さんに配るんですか?」
「違うよ!」
僕の疑問に久慈川さんが否定した。
「ほら私達、お世辞にも料理を作るのは上手くないでしょ。だからX'masの時みたく、みんなで作ってれば大丈夫かと思って」
天城先輩の提案に賛成し此処に集まったようだ。
「そして、1対1で渡すの!私は月森先輩で、里中先輩が花村先輩で、直斗が完二で、天城先輩は…」
と久慈川さんが言い終わる前に
里中先輩が抗議した。
「なんで私が花村に挙げないとイケないのさ」
怒りをあらわに興奮している。
「じゃあ私がクマさんに挙げるの……」
その横で天城先輩は納得してない感じだった。
「えー!これがベストな選択じゃないですか!何が不満なんですか?誰か省いたら可哀相じゃないですか!」
久慈川さんも自身の中では決定事項だったのか!否定されて不満げだった。
「だからって既に決定してるのは嫌だよ!せめてクジとかで決めようよ」
それでも天城先輩と久慈川さんは不満げの様子だった。
「そしたら月森先輩に挙げられる確率が1/4になるじゃないですか」
久慈川さんは、どうしても月森先輩に挙げたいらしい…。
「私も………つき……君に…」 小声で聞き取りずらかったが、天城先輩は確かに「月森君」と言っていた。
「私だって出来れば月森君に…」
里中先輩も気持ちは同じらしい。3人はどうやって渡す相手を決めるかで話し合いを始めた。

「………。」
直斗は今になって不安を感じた。月森先輩がモテるのは初めから知っていた。またまた帰りの昇降口で、下駄箱を開けた月森先輩を見た時、下駄箱の中には複数個のお菓子が入れられていた。その時は恋人になる前だったので
(モテる方なんだ)
と驚いてしまった。久慈川さんが月森先輩に対して好意を抱いている事には気付いていたが、天城先輩や里中先輩も同じだとは思ってもいなかった。普段一緒に居ても、そんなそぶりは見せないし久慈川さんが月森先輩にアタックしていてもヤキモチを妬く事が無かったからだ。
いくら両想いになったとはいえまさか強敵が、こんなに居るとは直斗も予想外だった。
天城先輩は同性から見ても綺麗な人で言葉遣いやしぐさなど、どれを取っても理想的な女性だろう。
里中先輩も明るくて誰とでも打ち解けられるし意外と虫とかに弱い一面があるのも可愛いさの秘訣だと思う。
久慈川さんもヤハリ可愛い方で自分には無い女の子らしさを沢山もっていて、しかもアイドルだ…。
直斗は、なぜ!?月森先輩が女の子らしくも無い自分を好きだと言ったのか不安になった。
もし久慈川さんみたいに可愛い子に告白でもされたら、そっちの方に行ってしまうのではないかと……。
独りで悩んでいると、今まで黙っていたのを心配して
「大丈夫?顔色が少し悪い見たいだけど…」
天城先輩が声をかけてきた。
「大丈夫ですよ。少し考え事があっただけですから」
「えっ!何か悩み事でもあるの」
久慈川さんも里中先輩も心配してくれたが…まさか月森先輩の事で悩んでいたとは言えるはずもなかった。
「そういえば渡す相手の決め方は決まったのですか?」
話題を変えるため話を振ったが3人は苦笑いをし答えなかった
「さすがに、そろそろ決めないと作る時間も無くなるよね」
「あ〜でも、どうすればイイの」
もうお手上げ状態らしい!
「だったら1対1じゃなくて4人からという事で渡せば良いのでは」
直斗自身その方が安心だし、もし1対1で渡す事になったら間違えなく告白する気だと思った
「ダメ!!それだけは絶対に駄目」
久慈川さんが真剣な目で訴えた背後からは何やら黒い邪気のような物が見える。
「………。」
3人も反論が出来なくなった。
「もうこの際貰えない奴が居ても構わないから、個人で好きな人に挙げるようにしましょう」
「!!」
久慈川さんの、やけくそ発言に驚きながらも誰も異義をとなえなかったので、そういう事になってしまった…。
「初めから、こうすれば良かったね」
里中先輩の発言は全くである。かくして女達の戦いは始まった!!
【続】

※ここまで読んで頂き、ありがとうございます続編は08年12月上旬に更新予定ですので機会があれば、是非読んでやって下さい 出来れば18禁も書く予定です大人の皆さん、お楽しみに〜〜。チョリース

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