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読。
Ash on this road

…‥━━AM1:30。


万事屋玄関前にて。
ひっそり、月見酒を嗜む2つの影。




無数の星が瞬く夜空にひときわ輝いて見える月。



『…月……キレイだねぇ…』
『あぁ…そうだな…』
輝く月、そして夜の青の美しさにため息の様に呟く銀時と土方。


ふと、月へ向かって右腕を伸ばす銀時。

『ん……届きそうで、届かない…ね』
笑いながらそんなコトを言う銀時に、土方もつられて笑う。
『届くわけねぇだろ』
そして手元のグラスへ口をつける。



『はぁ〜夢がないねぇ多串くんは〜』
と、ポンポンと土方の肩を叩く。
しかし次には
『あっでも夢がある多串くんもアレかも…』
なんて、可笑しなコトを口走り出した。
『はぁっ?』
もちろん、そこは過敏に反応する副長さん。


『じょーだんだよ冗談だってばー』
隣でアハハと笑っている彼に、冗談だとは分かっているけれど相変わらずの口調とフワフワした感じに、今ひとつ冗談と思いきれない気持ちにさせられる。『あ。ヘコんじゃった?』
複雑な表情で自分に視線を送ってくる土方の顔を覗き込むと、薄く笑みを浮かべる。


『あぁヘコんだ。ヘコんだから慰めろ』
少しいじけた口ぶりの土方は、空にしたグラスを置いた右手で触り慣れたクセっ毛に指を絡める。


『あれ、素直だねぇ。酒がまわってきた?』
楽しそうに笑うと、グラスの中身を一気に流し込み、横へ座る土方の肩口へ頭を預ける。
『そーかもな』
あっさりと肯定した唇は、そのまま、指を絡めたままの髪へ。




『……キレイだ、な』
自分の触れている銀色が月の光に煌めく様(さま)に、目を細めて呟く土方。
『ん……?』
その呟きに身じろぎもせず声だけで返す。




『なんか…なんか、さ、』
目を閉じて話し出した銀時を黙って促す。
『こうしてると…夜の静寂に溶け込んじゃいそうだね…』



生温い風が、フワリ、2人をすり抜けていく。



『ん、それも悪くねぇな』
ククっと喉の奥で笑いながら、自分の肩へ頭を寄せたままの銀時の肩を抱き寄せた。
更に密着した2人。
銀時はそのまま続ける。『んー……このまま溶けちゃえばいいなぁ。多串くんと一緒なら…それでもいいかも…』
ゆっくりと目を開き、隣の彼に寄りかかったまま、グラスの中で溶けかけている氷を指先でくるくると遊ぶ。


『…銀時?』





いつもと違う空気が2人を纏う。






『なーんて、な。ウ・ソ。今のも冗談ですよ?』
急にこちらを向いたかと思うと、アハっといつもの顔。
『…ウソはどっちだ…ったく。今のは冗談なんて言わせねぇぜ?』
左手で氷で冷えた銀時の指先を包み込む。



さっきの銀時の言葉。
間違いなく本音だという確信があった。
土方には分かる。



いや、土方にしか、分からない。







口に出しても
出さなくても
気持ちは1つ
決まってる







『好きだよ…トシ…』


『あたりめぇだ…』







2人は再び、夜空を仰ぐ。




吐in





□アトガキ□
これあんま直し必要ないかなー…とか思ってたら、書き込んでて『あーここは…』みたいのが結構あったり。
もーちょっとシリアスにしてもいい気もしたけど終わりが見えなくなりそーなんでやめときました。笑。

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あきゅろす。
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