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色々小説
ライリヴァ




あの日…

俺はリヴァルにギアスを掛けた。

突然のアクシデント。

柔らかい唇に触れて、まるでリヴァルを押し倒したかの様になってしまった。


ファーストキスは会長としたかったと嘆くリヴァルが可哀相で、とっさにギアスをやってしまった。


………

リヴァルはもうあの時の感触を覚えて無い。


今日も愛しい会長を目で追っている…。


「ねえ、ライ」

スザクが話し掛けて来た。

「なんだスザク」

「最近リヴァルと何かあったの?」

「へ?」

先程までリヴァルのことを考えていた俺はスザクの言葉に心臓がドクンッと大きく鼓動した。


「なんでそう思う?」

見過ぎていただろうか。

「んー、つい最近まで一緒にバイクの調整をしたりしてたのに、ここ数日は一緒に居ないからちょっと気になって…」

「それは…」

リヴァルは忘れてていても、俺はあの感触を覚えてて…

思わず唇に触れる。

「?…
何かあったの?」

ここで、ちょっとしたアクシデントでリヴァルとキスしちゃってと言えたらいいが、そしたらギアスを掛けた意味が無くなる。

無かったことにしたいとリヴァルが願ったからギアスを掛けたのだから。


「…もしかして君…」

「な、なんだ」

「恋しちゃったの?」

ちょっと声のボリュームを押さえて聞いて来た問いに俺はまたドクンッと胸が高鳴った。

「な、そ、そ、そんな馬鹿な」

俺は男で、リヴァルも男…

「ミレイ会長のこと」

「は?」

「え?違う?」

「はぁ〜」

俺はなんだか疲れてしゃがみ込んだ。

「なんだー
三角関係に悩んでるのかと思ったよー」

「違うよ…」

スザクの言葉を否定しながらも、何か違和感を感じた。


自分はさっき何を考えた?


恋をしたで直ぐに思い浮かべたのはリヴァル…。


ドキドキと大きく鳴る胸は、リヴァルのことを考えるのに比例している。


まさか…


俺、リヴァルのこと…



頭からずっと離れ無かったのだ。

自分の唇に残った感触を…

涙目で、自分を見上げて来たあの顔を…



俺はリヴァルに恋をしてしまったらしい…




「まあ理由はどうあれ、仲直りしなよ?」

「ああ」



ギアスで忘れてしまっても、俺の感触は思い出して貰うよ…


そう言って笑った俺に、スザクは不思議そうに頭を傾げた。





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