色々小説 出会い、再会 ・ギアスでNGライフパロの続き ・名前変換有り 例)ルルーシュ=流兎 朱雀達は無事に高校の入学式に間に合い、配れたクラス表を見た。 「あっ! やりました」 優妃が嬉しそうにガッツポーズをする。 その横で蓮は顔を歪めていた。 「二人共見つけたの? 早いな〜」 朱雀はまだ自分のクラスを見つけることが出来ずに頭を掻く。 と、優妃が朱雀の横でニィッコリと笑った。 「朱雀は私と一緒ですよ!」 「本当!」 優妃の言葉に瞳を輝かせる朱雀。 プリントを良く見ると確かに朱雀と優妃は一緒の1の7だ。 だが… 「あ…」 「……」 蓮だけは違うクラスで、朱雀たちの隣の1の6だった。 「ま、まあ隣ならすぐに会えるし」 フォローに入ろうとした朱雀に優妃が抱き着く。 「口五月蠅いのが居ないで朱雀と二人っきりなんて最高ですわ〜」 とても嬉しそうな優妃とは対照的に、蓮は怒りで肩を震わせる。 「なんだとこのピンク女っ」 「なんです真っ赤っか男!」 「ちょっ、止めなよ二人共入学そうそう〜」 喧嘩を起こす二人に朱雀がまたかと肩を落としながらも止めに入る。 三人がわいわいと騒いでいると、ある男が近いて来た。 朱雀の肩が後ろから叩かれる。 「お前たち、もう皆自分のクラスにならんでいるぞ! 早く割り振りられたクラスに行け!」 教師の様だった。 朱雀は慌てて後ろを振り返って謝ろうとした。 「ごめんなっ!!」 だが、その教師を見て固まる。 共に謝ろうとしていた蓮と優妃は固まる朱雀を見て次いで驚いた顔でその教師を見た。 教師はそんな三人の態度に方眉を上げた。 「なんだ? 俺の顔に何か付いてるか?」 全く分かって居ない様なその教師に、しばらく固まっていた朱雀は我に帰り頭を横に振った。 「い、いいえ。 すいませんでした」 そう言って頭を下げた朱雀は足早に1の7の列に向かった。 「あっ、待って下さい朱雀! すいませんでしたっ」 置いて行かれた優妃が慌てて朱雀を追う。 最後に残った蓮が、刺す様な鋭い瞳でその教師を見ていた。 「なんだ、お前も早く行きなさい」 蓮を叱る教師。 蓮が口を開く。 「俺は蓮… アンタの名前は?」 「は?」 突然の話しに教師は面食らった顔をしたが、やがてぽつりと言う。 「……蘭治 流兎だが」 「るう…ルルーシュ、ね」 「は?」 皮肉気に笑った蓮に頭を傾げる流兎。 そう、彼こそが、朱雀がずっと捜していた前世からの思い人だった。 蘭治 流兎 前世では ルルーシュ・ランペルージ 「なんでも無い。 すいませんでした先生」 「あ、ああ」 ちゃんと謝って去って行く蓮だが、流兎は何処か腑に落ちなくて、不思議そうに蓮の後ろ姿を見つめた。 やっと会えた。 今のルルーシュはスザクを知らない。 自分が覚えていたから、相手も当然の様に気付いてくれると思っていた朱雀は現実に胸が痛んだ。 ルルーシュは自分を覚えて居ない。 約束を覚えていない。 でも、居た。 同じ世界でまた、彼と出会えた。 再会出来た。 覚えていないことは悲しい、でもまた一緒に生きていけるなんて奇跡だ! 嬉しい、嬉しい! 入学式で皆が面倒臭そうに校長の話しに耳を傾ける中、朱雀は一人思わず泣いた。 隣に居た優妃はまるで母親の様に、優しく微笑みながら朱雀の頭を撫でていた。 出会い、再会 (これから、君との世界が始まる) (約束を果たすのはこれからだ) [*前へ][次へ#] [戻る] |