色々小説 愛しの神子はレズビアン2/遥か3 俺には好きな人がいる。 ずっとずっと思い続けている人が… でも… あの人が好きなのは… 目覚めた場所はパラダイス!!と思ったら地獄? 第二話 前回のレズビアン女子高生春日望美は、悪友有川将臣とその弟の譲と渡り廊下で話しをしていたら、外に子供がいるのに気付いて話し掛けた。 すると子供のバックから津波が現れ、それに飲み込まれてしまう。 目を覚ますと知らない場所で着た覚えの無い服を着ていた。 起き上がってまずしたことは服の改造…足が寒かったからだ。 そして女性の悲鳴を聞き付けてその場に向かうと、そこでは美女と子供が人でない醜い何かに襲われていた。 地面にあった剣を使い、美女と子供と共にその何か… 怨霊を倒したのであった。 長い振り返りを此所まで読んでくれた貴方様…貴方様に感謝! 「さっきの浄化の力? なんか無我夢中でよく解んないけど、それを使えた私は白龍の神子だと?」 怨霊を倒し、浄化した望美と美女こと梶原朔と子供こと白龍は朔がはぐれてしまったと言う人達を探し歩いていた。 「うん…神子は、私の、神子だよ?」 白龍が可愛く首を傾げて答える。 それを見た望美はしばらく考えてから白龍に耳うちする。 「ねえ、性別ってかえられないの?」 「せい…べつ?」 「男の子と女の子どっちにもなれない? 神様なんでしょ?」 望美は残念でしかたが無かった。 白龍が雄だと言うことが… 今さっきの可愛いらしい仕草、これで女の子だったら絶対自分はトキメキでうっはうはなのにと… 何がうっはうはだ… (ナレーションつっこみ) 「う〜ん。 多分…無理」 「なんでっ?!」 望美は思わず白龍の肩をガシッと掴む。 「コーエーは… 美少年とのネオロマンスだから…」 今、とても幼い少年に似合わないリアルな回答が…… その言葉に望美は鳥肌になる。 (なっ! 私は男なんかとラヴラヴしたか無いのよっ!目の前にこんな美女がいるのに… しかもこの哀愁漂う影のある美女…くぅっなんて素敵なの!! ああさいっこぉ〜) 無言でプルプル震える望美を心配した哀愁漂う美女…朔は、望美の肩を落ち着く様にぽんぽん叩いた。 「突然怨霊なんかと戦って、驚いているでしょうけど、この道を抜けたら安全な場所に着くから頑張って」 朔は初めて見る怨霊に望美は怖がっているのだと勘違いしている。本当は全くくだらないことで身悶えているだけなのに。 その時不意に白龍が怯えたような声を出す。 「神子…怨霊が」 その言葉に顔を周りに向けた朔は顔を青くする。 「あんなに…」 三人の周りを取り囲むように…さっきの倍ぐらいの数の怨霊が居た。 望美はこれはチャンスだと思った。 此所で朔にいいとこ見せて株を上げると… こんな数の怨霊、浄化するのはまず無理だろうが……隙ぐらいなら作れる。 望美はそう考えて、怨霊の大群に突っ込んだ。 望美の頭には朔にいいとこ見せたいの一言しか無かった。 「望美っ?!」 朔が驚いて悲鳴のような声を上げる。 「二人はこの隙に逃げてっ!」 「神子っっ!」 白龍が望美の背後を指さす。 怨霊が今にも望美を斬ろうと刃を輝かせていた。 その時 「先輩っ!」 「ぎぇぁっ?!」 望美は突然腰をしっかりした腕に引かれた。 怨霊から守るよう覆い隠すように後ろから抱き締められた。 望美は声とその鍛えられた腕で今、男に抱き締められてると分かると蛙が潰されたような声を出した。 それでも放せ男がっ!と叫ばなかったのは、それが知った腕だったからだ。 「ゆっ、譲君離してっ!! けっ、怪我しちゃうじゃないっ」 望美を庇ったのは望美の幼馴染みで、悪友将臣の弟の有川譲だった。 必死にに叫ぶその姿は、守ってくれている譲の身を案じての様にはたからは見える。 だが、叫んでいる望美の本性は違う。 望美は生粋のレズビアン。 基本的に男という生物が望美は嫌いである。 何故ならお気に入りの女の子が居ても、当然彼氏が出来るからだ。←只の逆恨みだ。 そりゃあ生きて行く中で関わることは必ずあるので、そこそこ仲良くは出来るが、ベタベタされるなんて彼女にとっては拷問に近い行為だ。 今望美はただ単に、譲が自分を離してくれることを願っていた。 だがそんなことをこの突然現れて正義のヒーローよろしく望美を守っている譲は知らなかった。 何故なら彼は、ずっと昔から望美が好きなのは自分の兄、将臣だと思っているからだ。 今も、 「大丈夫です先輩。 俺、頑丈なんで…」 と言って怨霊に切られながら無理してニコニコと笑っている。 「馬鹿かお前はっ! お前が大丈夫でも私は大丈夫じゃねぇえんだよこの眼鏡っっ!」 とは、庇ってもらっている身では言えず。 気持ち悪くて涙目になりながらも、望美はありがとうと微笑んだ。 怨霊はなんとか四人で力を合わせて倒すことに成功した。 そして譲と白龍、朔の会話で、此所が京の宇治川だと言うことが判明した。 「京? 京都じゃなくて?」 「ええ、そうよ。 此所は四神と龍神が守り、動脈の流れる土地…京」 朔の言う四神や龍神と言う言葉に譲は顔をしかめる。 望美はとにかく朔の側に居たいと思っているから、ついて行ければ他はどうでもいいらしい。 譲は、タイムトリップをしてしまったと言う一つの仮説を望美に話した。 「まだそうと決まった訳じゃありませんけど… 俺たちはタイムスリップしてしまったんじゃないかと思います。 朔さんの言う京は、平安時代に出て来る京に似ている」 「ふーん。 ところで朔、今度一緒に買い物行かない? あ、好きな食べものは何? 私はクレープなんだけどぉ。 学校帰りに美味しいクレープ屋さんがあってね」 「く、くれぇえぷ?」 真面目に話していたのに流された譲はがっくりと肩を落した。 望美が積極的に朔に話し掛けているうちに、人が歩く様な道が出来ていた。 望美は朔のカタカナや知らない言葉を反復する姿が可愛くてきゅん死ぬほどだった。 つまり幸せな時を過ごしていた。 譲、白龍そっちのけで… 「そこ者っ! 何者だっ!此所で何している」 だが幸せな時はそう続か無かった。 天然ボケで短気な馬鹿の登場により、波乱な風が吹き荒れるのだから… 続く… のか? [*前へ][次へ#] [戻る] |