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色々小説
別れた道で


注意
・スザナナ&ルルC.C
・前半ナナが黒い
・スザナナと言うよりスザ←ナナ
・何時ものことだが駄文

では長い前書き失礼しました。






お仕事が忙しくても、ギリギリまで側で微笑み掛けてくれた貴方が愛しい。


「行ったか?」

スザクさんが私のところから出て行ったあとC.Cさんが部屋の奥から現れた。

「はい、ついさっきスザクさんはお帰りになりました」

私は先程スザクさんと折った折り鶴を手で触っていた。

C.Cさんは何故かスザクさんが居る時は隠れている。

まあそんなことはどうでもいいし、むしろ邪魔者が居なくて好都合なので何も聞いたことは無い。

お兄様と将来を誓いあった仲と言っていたが、どう転んで、その目がスザクさんに向いたら…私には堪ったものでは無い。


そんなことを考えていたら、手元にあった鶴が無くなっていた。

「あっ…」

思わず不機嫌な声を出して私は口を閉じた。

「ナナリー
お前は枸木スザクのこと、どう思って居るんだ?」

直ぐ側からC.Cさんの声が聞こえる。

貴方には関係無いだろうに、スザクさんの鶴を返して欲しい。

と、内心苛つきながらも、私は微笑んだ。


「え?
どうしたんですか突然」

「余りにも嬉しそうに鶴を撫でていたからな、もしやと思ってな」

もしやも何も私はスザクさんが好きだ。
恋愛感情の好きだ。
7年前からずっと、密かに思い続けて来た。


「大切な人です」

「ルルーシュよりも?」

「……恋愛感情で言うのであれば当然じゃ無いですか?」

比べることも無いだろう。
そう思って私は頭を傾げた。


「そうか…」

C.Cさんの何処か切なげな声が聞こえた。


「…本当に今日のC.Cさんはどうかしたんですか?」

私の質問に、C.Cさんはしばしの間黙りこくった。

「…………
じゃあもしルルーシュがスザクを傷つけたらお前は」

「許しませんよ」

C.Cさんの言葉を遮って私は答えた。

「たとえお兄様だとしても許しません。
それが私の為にやってくれたことだとしても、それは唯の余計なお世話ですよ」

温厚だと思っていただろう私の厳しい発言に驚いたのか、C.Cさんの息を飲む音が聞こえた。

彼女は何か知って居るのだろう。
お兄様が最近何をしているのか…。


それで、スザクさんにどんな影響を及ぼすのか…。


「それで、C.Cさんは聞いてどうするんですか?
止めてくれますかお兄様を」

私はC.Cさんへと手を伸ばす。

「私にはお兄様は決して教えてくださらないんですよ。
だから止めようが無い」

C.Cさんの手をギュッと握る。
痛い位。

「貴方がお兄様の悲しむ姿を見たく無いのなら止めて下さい。
私だって出来ればお兄様を悲しませたく無いのです」

「っ、ナナリーそれは」

握り締めている手から、C.Cさんの動揺が伝わってくる。

私はそんなC.Cさんが珍しくて笑った。

「なんでバラバラになってしまったんでしょうね?
三人で楽しく遊んでいた頃に戻れたらいいのに」

大きくなるに連れて、二人とも私を置いて行ってしまう。

進む道のりは別れて行き、生きる世界がバラバラになって行く。

寂しい。


そっと、頭の上に温もりを感じた。


「いつかまた、戻れたらいいな」

優しく、悲しげな声に、私はC.Cさんの手を今度は優しく撫でた。

「…そうですね。
その時はC.Cさんも一緒に」

「ああ」

八つ当たりしてしまった。

自分の無力差が腹立立たしい。

「私はルルーシュを止めることは出来ない」

真剣なC.Cさんの声に、私は頷いた。

「知ってます。
好きな人の側で支えられるC.Cさんが羨ましくて意地悪しちゃいました」

ペロッと舌を出してそう言うとC.Cさんの呆れたような声が帰ってくる。

「お前でもそう言うことするんだな。
少し…いやかなり驚いたぞ」

そう言うC.Cさんに私はくすくすと笑った。

「私って自分で言うのもアレですが結構腹黒ですよ?
さっき言ったスザクさんのことは本当のことですし」

「お前は末恐ろしいな」

「お褒めに預かり光栄です♪」

C.Cさんが短い溜め息を着いた。

「じゃあ私は、ルルーシュが素のお前にショックを受けない様に隠しておくか」

あいつはお前を溺愛してるからな。

そうぽつりと呟いたC.Cさんは隠してるつもりだろうが、少しだけ嫉妬が混ざっていて私はクスリと笑った。


明日もスザクさんは来てくれるだろうか…



「C.Cさん、明日は一緒にクッキーでも作りませんか?」

「は?」

「何も出来ないけど、少し位スザクさんの支えになりたいんです。毎日忙しそうなスザクさんが元気になるクッキーを」

「私は構わないが…
出来るのか?」

「頑張ってみます。
C.Cさんも是非お兄様に、きっと喜びますよ」

「なんで私がアイツなんかの為に」

「将来を誓いあったんでしょう?
時には女の子らしくフリフリのエプロンでそう言うことをすればお兄様はイチコロですよ」

「なっ、…あーもう分かったよ。
ナナリーには敵わないな」

「うふふ」

バラバラになっていく道のりでも、疲れて休みたい時に、私が癒せられる場所になってあげたい。

少しでも力になりたいから…

後日、キッチンから黒煙が上がりお兄様に叱られたのはC.Cさんだけでした。



おまけ


「美味しいよナナリー良く作れたね!
びっくりしたよ」

「ありがとうございます。
これでお仕事頑張って下さいスザクさん」

ナナリーがクッキーを持ってスザクの口元辺りに差し出すと、そのままサクッと音が鳴り、ナナリーは嬉しそうに口元を緩ました。

そんなナナリーにスザクも向日葵みたいに笑った。

その隣の部屋ではルルーシュがC.Cから貰ったクッキーの袋を握って怒鳴っていた。

「ナナリーがもし怪我したらどうするんだっ!」

そんなルルーシュにC.Cはクッキーをみながらふて腐れる。

「………やっぱりこれは自分で食べる、返せ」

そう言って袋を引っ張る。
可愛いクマの柄が少し伸びる。

「あっ、おい!
引っ張るな!」

「どうせお前はナナリーのが貰えればいいんだろう?」

「そりゃナナリーのが貰えれば嬉しいが、おいっ、だから引っ張るなっ?!」

「「あっ!?」」

引っ張りあう内にとうとうクマの柄は引き裂けた。


C.Cは珍しく呆然としてそれを見つめ、ルルーシュは急いでそれを拾い口に含んだ。

「えっ、おい?!」

C.Cは驚いてルルーシュの肩に手を置いたが、ルルーシュははぐはぐと落ちたクッキーを食べた。

ゴックンと喉をならすとルルーシュは気遣わしげにこちらを伺ってくるC.Cに顔を向けた。

「三秒ルールだ」

「馬鹿かお前は」

「五月蠅い。
………まあピザ女のわりに上手く出来ているな」

そっぽを向きそう言うルルーシュにC.Cはフンと鼻を鳴らせた。

「当然だな」

お互い素直にありがとうが言えないツンデレな二人だった。




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