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オリジナル(BL)小説
平凡次男


「ねえねえ兄ちゃん、夏月が居ないよぉ?」

頭にチョウチョをつけた春巳が後ろを見て言う。

「あー?
……たまかよ」

ちっと、思わず舌打ちをする。

夏月はいつも俺等兄弟の足を引っ張る。

本当に血が繋がってんのか?






平凡次男






「うん、塩素の良いにおいだ」

ライオンさん、もとい志摩 迅(しま じん)は俺の身体の臭いをフンフンと嗅いで満足そうに言った。

彼は高等部2年。
一つ上の先輩だった。
俺は志摩先輩に渡された制服を着てジュースを飲む。

パンツはやっぱり無くてノーパン。
制服がちょっと大きくてスースーする。

ムーと唸りながらジュースを飲む俺を見た志摩先輩がちょっと困った顔をした。

「お前…平々凡々だけど、ちょっと気をつけたほうが良いかもしれねーな」

物好きも居るからな〜となんだか良く分からないことを言う。

何?俺けなされてる?

え〜え、俺は平々凡々の生徒Aですよ。

もう分かってます!

「じゃあ学校に行くか。
あ、お前は理事長室か…」

イライラする俺を気にせず志摩先輩が鞄を持って言う。

ぽん、と頭に手が置かれる。

「連れてってやるよ。
場所分からないだろ?」


ライオン様っ!!


「……これは?」

「俺のバイク。
これヘルメット。
ちゃんと被れよ」

赤い格好良いバイクに乗る。
バイクとか乗らないからよく分からないけど、高そうなバイクだ。

ニッと笑ってヘルをかぶる志摩先輩。

………ちょ、格好良いなおい。

送って貰っててなんだが、ちょっと悪態付きたくなったよ。





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