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歪みのリボーン
シンデレラもーにんぐ



早朝…

目を覚ました骸は、大きな叫び声を上げました。


「クッヒャァァァ!」

「なっ、どうしたの骸?!」

「敵襲か?!」


バタバタと綱吉と獄寺が部屋に掛けて来る音がします。

骸は、より慌て出します。
何故なら今の現状を二人に見せるのはかなり恥ずかしかったからです。

二人の気配がドアの前まで来た時骸は叫びます。


「大丈夫です!
寝ぼけただけなので入って来ないで下さい!」

骸は自分の腰に絡まったものを思い切り叩いてドアへと走ります。

「えっ?
でも骸大丈夫なの」

綱吉の心配そうな声に、ドアノブも回ろうとしています。

「大丈夫です!
お騒がせしてすみません」

骸はドアの前でそう叫び、ガチンッと大きく鍵を閉めました。

「なっ、テメェ10代目が来てくださったのに…開けやがれ!」

獄寺の怒った声がしますが、骸はもう視線をさっきまで自分がいたベットへと向けました。

正確には、ベットの中に居る人物に。

ドアの方では、綱吉が獄寺を宥める声がします。

「いいよ獄寺くん、ありがとう。
骸!朝食は一緒に食べてね!」

「わかりました!」

骸は後ろから聞こえた声に返事をしながらも、ある人物を睨んでいます。

一方睨まれている相手は楽しそうに吊り上がっている目を細めて笑っています。

「君みんなと朝食なんか取るんだ?」

「ああ言わないと沢田綱吉は帰らないと思ったのでね」

骸はそういいながらじりじりと相手へ近付きます。

「そうか、やっぱり群れるのは嫌だよね。
…………マフィアなんてやってるけど、僕も群れるのだけは慣れない。
思わず咬み殺したくなる。
特に獄寺とか」

飄々と何処かご機嫌に語る相手の手元に骸は視線をやりました。

(なんとかあれをこの男から奪取しないと)

骸の意図に気付いた相手はニヤリと笑って手元にあるものを持ち上げます。

「これが欲しいのかい?」

「ええ…そうです。
雲雀恭弥…返して貰いますよ、僕の服を!」

骸は雲雀に向かって走り込み、服へと手を伸ばします。

が、ひょいと雲雀に手の届かないところまで持ち上げられて虚しく空を掴みます。

「どうしてさ、今の君はとっても可愛いじゃないか」

雲雀は少し眉を下げて言うが、内心では楽しくてしょうがないのか、目は笑ったままだ。

「何言ってるんですか!
僕は男です!
こんなふりふりのドレスなんか嫌に決まってます!」

雲雀に奪われた服を取り替えそうとぴょんぴょん跳ねる骸の姿は、まるでシンデレラが着るような淡い水色と白色のドレス。
骸の動きに合わせて、ふわりふわりとスカートが揺らぎとても綺麗でした。

それはとても骸に似合っていて、まるで本物お姫様の様で雲雀はとても気に入りました。

「だいたいなんでこんなにピッタリなんですか気持ち悪い。
だいたい貴方、人が寝ている間に着替えさせるってもう犯罪ですよ!」


骸が朝目覚めた時、目の前にはニッコリと不気味な程に微笑む雲雀が居て、デジャブを感じつつ後ろに下がろうとしたところ腰を掴まり、剥そうと下を向いた時、身にまとったドレスに悲鳴を上げたのでした。


「髪を下ろすと本当に女の子みたいだ」

「止めなさいっ!
バカーっっ!!」








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