歪みのリボーン
真夜中の遭遇
パチリ
月明りが仄かに辺りを照らす部屋の中、骸は目を開いた。
温かく、大きなベットからもぞりもぞりと動き出す。
素足を床に着けると、ひんやりと冷たく、骸は大きなスリッパを見つけて履きこんだ。
パタパタと音を立てて部屋のドアへと向かう。
動くことで、自分がどれほど小さくなったかを、先程より一層骸は理解した。
まだ目が覚めたばかりのぼんやりとした頭が、今の現実に覚醒していく。
「何処か夢だと思っていたんですが…」
そう呟いた声も高くまるで女の子のような声で、骸は溜め息をついた。
骸は部屋を出て、暗く長い廊下を適当に歩いて行った。
「あれ?
骸じゃねーか、どうしたんだ?
子供はまだ寝てる時間だぜ」
廊下の奥から人気を感じて隠れ様とした骸だが、先に奥にいた人物に気付かれてしまった。
「山本、武…
僕は別に姿は子供になって居ますがもう立派な大人ですよ?」
「おっ、なんか見た目は子供で頭脳が大人って名探偵コ○ンみたいなのな〜」
子供扱いしないで下さいと続け様とした骸に山本の笑い声が邪魔をした。
「〜っ、人の話しは最後まで聞きなさい」
「あははは」
話しているといつの間にか山本は骸の目の前に立っていた。
「で、どうしたんだ?」
そう聞いて来た山本の顔は先程のおちゃらけた風陰気は無く、真面目な顔だったので骸は一瞬だけ瞳を揺らしたが、直ぐにクフッと小さな笑みを浮かべる。
「目が覚めてしまって…
出来れば先程頂いた飲みものをもう一度作って頂けますか?」
そんな骸を見て山本はニコッと笑った。
「ああ、いいぜ!」
二人は一緒に厨房に向かった。
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