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ギアス夢物語
No.06「異世界」


「さて、と。
アッシュホード学園ってのは此所かな?」

俺は目の前に建っている建物を見上げた。
随分と大きく綺麗な建物だ。

俺が着地した場所はこの建物を中心とした敷地の中だった。

「異世界、と言っても余り俺の世界と変わらないな」

ユフィの姿はドレスだし、帝国とか皇帝とか出て来るからなんかRPGの世界を連想していたんだが…。

「貴方が、勝城 直哉ですか?」

「へっ?」

俺がぼーっと異世界を観察していたら、背後から声を掛けられた。

「お前は…」

振り向くと、俺と同じ位の身長の少年が立っていた。

全く知らない少年だ。
だが向こうはこちらを知っていて、俺は疑問のまなざしを向けた。

紫の瞳がユフィを思い出させる。

「…初めまして。
僕の名前はロロです。
V.Vからの命で迎に上がりました」

V.V…
ユフィの言ってた人か。

俺はロロと言う少年を見る。

無表情な顔でただ淡々とこちらを見ていた。

「入学手続きは済ましてあります。
後、これからは学園寮に生活するようにと。
そちらも手続きは済ました。
明日から貴方は僕のクラスに転入することになってます」

俺は目を見開いた。

準備がよすぎる。

「あ、ありがとう。
でもなんでそこまで?」

「さあ、僕はV.V.から与えられた任務を遂行しただけですから」

……無表情で語るロロはまるでロボットみたいだ。
突然現れた俺にここまでして、何も疑問を持たないのか?

「そう言うもんか?」

「はい」

即答された…。

ロロは、V.V.を通してなら俺を助けてくれると言うことか、結論を言うと。

V.V.って何者なんだ。

「付いて来て下さい。
あと、僕は任務の為この学園ではV.V.との関係と、軍にいることを隠しています。
貴方も軽はずみな発言をしないよう気をつけて下さい。
これは絶対事項です」

ロロは少し俺のこと勘違いしてないか?

そう思ったが口には出さなかった。

V.V.が話して無いのだし、異世界から来たなんてそう信じて貰え無いだろう。

「貴方はイレブンですから、色々と面倒があるかも知れないとのことで、この学園の生徒会長が貴方を生徒会メンバーに任命しました」

「はっ?!」

俺は声を上げる。
イレブンとは、確か植民地にされた日本人の敬称。

だが面倒って、生徒会って?

口を開け閉めする俺を無視して、ロロはスタスタと歩き出す。

「僕は生徒会に貴方を連れて来るよう頼まれたんですよ。
付いて来て下さい」

「あっ、待ってくれロロ!」


俺は慌ててロロを追った。


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