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ギアス夢物語
No.12「ギアス」


V.V.との話しが終わった直哉は、ロロと共に生徒会室へと向かう。

向かう途中、ロロはふいと、後ろから付いて来る直哉の様子を見た。

眉を寄せて、床を見ながらついて来る彼は、何かを悩んでいる様だった。

まあ、そんなことはロロにとってはどうでもいいのだが…ー。

「直哉、生徒会室に戻る前に聞いておきたいことが…」

ロロは、人通りが無い廊下で立ち止まる。

直哉は顔を上げて質問を促した。

ロロは少し躊躇して、口を開いた。

「…貴方は、ギアス能力者なんですか?」

V.V.と繋がりがある者は、ほとんどギアス関係者だ。

ロロはじっと直哉の回答を待った。


ギアス…
不思議な力を使える様になる能力のこと。

ユフィが死んだ原因。

何人もを救い、殺す力…。

直哉はV.V.の言っていたことを思い出して頭をかいた。

『直哉はギアスを…』

あの時のV.V.の言葉が、まだ良く理解出来ないー…。

「あ〜と、俺にギアス能力は無い、と思う」

直哉の歯切れの悪い言葉にロロは眉を寄せた。

「は?」

ロロの訝しげな反応に直哉は慌てて手を振りながら言い募る。

「い、いやだってさ。
V.V.が言ってた話し難しくてよく分かんなかったんだよ!」

ロロは呆れ顔で直哉を見つめた。

難しいって、分かんないって…。

「貴方馬鹿なんですね?」

ザックリと切って捨てられた言葉に直哉は胸を押さえる。

「……ロロ、そんなはっきり言わなくても。

あ、でもロロの能力はV.V.から聞いたよ」

「っ?!」

ロロが肩を揺らし、警戒心のある目で直哉を見た。

V.V.から聞かされたなら、でも…。

そんなロロを見て、直哉はニッコリと笑った。

「俺、皇帝陛下直属の特別情報局の新しい派遣員らしいからよろしくな」

ロロは、直哉の阿呆みたいに柔らかな笑顔に、毒気を抜かれた。

伸ばされた手を握る。

溜め息をついて、ロロは言った。

「分かりました。
よろしくお願いします」



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