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ギアス夢物語
No.11「ブラコン」


「何、ロロが?!」

生徒会室。
普段気取っていてクールなルルーシュの驚愕の声に、生徒会の面々はそちらに目を向けた。

「ど、どう言うことだ?」

ルルーシュがリヴァルの肩を掴む。

「どう言うことって、だからロロが直哉と腕を組んで行ったんだよ…」

面白がってネタを提供に来たリヴァルだが、ルルーシュの余りに過剰なリアクションに引いている。

「な、何ぃぃ!
腕組み等まだ早いだろう!!」

そう言って叫ぶルルーシュにリヴァルは正直気持ち悪いと思った。

弟相手に今のルルーシュはまるで彼氏ができた娘を心配しているかのように騒ぐ。

まるでと言うか、そのまんまそう言う心境なのであろう。

腕組み位でそんな騒がなくてもいいだろうに、第一ロロは弟…つまり男で、直哉も男なのだ。

これでロロが妹なら話しは別だが、弟なのだから何も起きるはずが無い。

男友達で腕を組むのは別にそれほど珍しく無い。

現にシャーリーも、

「そんな心配しなくても…きっと仲良くなったんだよ」

こう言っている。

だが、我らが生徒会長ミレイ・アッシュホードの意見は違った。

「そうかな〜
ロロってどちらかと言えば可愛らしい女の子顔じゃなーい?

もしかしたら…」

ミレイがニヤリと笑って言ったセリフを、皆頭の中で想像してしまった。

想像風景…。

『ロロ、実は俺、お前を一目見た時から…』

照れくさそうに顔を赤くしながらも、真剣な目で直哉が告げる。

それを聞いたロロは驚いて瞠目し、ついで微笑んだ。

『ほ、本当?
じ、実は…僕も』

そう言ってロロは組んだ腕を手でキュッと握る。

恥じらう様に直哉の腕に額を寄せてうつむくロロ。

直哉はそんなロロを愛しそうに見つめ、ロロを抱き寄せた。

『嬉しい…。
ありがとう、ロロ…』

ロロが直哉の腕の中で顔を上げる。

見つめ合う二人。

そしてお互いの唇を…


「スットーップ!!」

ルルーシュの叫び声が生徒会室に響く。

「うわぁ、びっくりした」

ルルーシュの真横に居たリヴァルが耳を押さえる。

「何よ今からがいい所なのに〜」

ミレイが不満げにルルーシュを睨む。

シャーリーはその横で顔を赤くしながらまだ妄想にふけっている。

「どこがですかっ、俺の可愛い弟を変な妄想のネタに使わないで下さいっ!」

ルルーシュは本気になって怒鳴る。

その気迫にミレイもリヴァルの様に若干引く。

皆分かっていたことだが、ルルーシュのブラコンっぷりはかなり重症だ。

「あはは、どうどうルルーシュ君!
冗談よ、冗談!」

そう言ってミレイはルルーシュの肩を叩く。

「ロロは本当に可愛いから…洒落にならないんですよ…」

深刻な顔で肩を落とすルルーシュ。

そんなルルーシュに洒落にならないのはお前だよ…と、誰もが思った。


そんな時ー…。


「ただいま戻りました」

「えーと、失礼します」


話題の二人が戻って来た。




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