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short novel
☆BEAUTIFUL WORLD
物パロになります。パロにしているのは鼠の国のアニメ映画、魔法のランプがでてくるあのお話です。有名だと思うので、あらすじは大まかに。あ、またこのお話は性別は変えてませんが、ルビーがジャスミン役です。(王子の役をしてます)あと、有名なシーンのみ若干アレンジを加えて二人(他にも友情出演あり)に演じてもらってます。

ちなみに、悪役はブルー姉さんがノリノリで行ってくれます。必然的にシルバーも一緒です。


あらすじ

サファイアは女泥棒。毎日物を盗みながら暮らしていました。今日は国の王子の婚約記念日らしく、町はとても賑わっています。しかし、雑踏の中、人に追われていたとある男性を助けた彼女。話を聞くと、自分には忘れられない、心に決めた人がいるのに、無理矢理結婚しなければならないことに腹を立て、逃げ出してきたと言うのです。すぐに仲良くなった二人でしたが、潔癖症、超綺麗ずきなその男性に、自分の好きな自然の美しさを否定され、喧嘩になってしまいました。そこへ大臣のしもべが現れ、この男性が国の王子、ルビーであることを知ります。殺されそうになったサファイアでしたが、大臣の策略で魔法のランプを取りに行かせられ...そして、とろろ(魔法の絨毯)とエメラルド(ランプの精)に出会い、あたしをお姫様にとお願いをしたところからスタートです。

あと、アラジンの相棒、お猿さんのアブーはちゃも(ひよこサイズの小さいアチャモ、普段はサファイアの頭の中にいます)になってます。

台詞かなり弄ってるし、ストーリーも違いますが、歌詞を若干アレンジして載せているので、物パロにしました。











みせてあげるったい!世界にはあんたが知らない、もっともっと綺麗なものがあることを








「ふーん。お姫様になりたいねぇ」

あたしの目の前には髪の毛を立ててた変てこな髪型をして、緑色の宝石を額に付けた小さなランプの精、エメラルド。なんでもここに閉じ込められてはや1000年近くたっているらしい。あたしよりはるかに幼い外見なのに、年上だなんて、人は見かけにはよらないものったい。あたしの頭の上に乗っているちゃもも不思議がっている。

「できんの?」

「オレにできないことなんてないよ、ご主人様!いったいどんなのを御所望で?」

「綺麗なドレスがいいったい」

「それじゃ大雑把すぎるって...んじゃ、こんなのは?」

一瞬であたしの服がピンク色のベリードレスに変わる。ブラには金色の蝶の刺繍が入っていて、スカートは少し薄めの生地でできていて、風を受けてふわりとした。

「確かにここの気候にあったドレスだけど、ちょっと露出激しすぎるったい。それに、ルビーはこういう格好の姫を一人残らず追い返していたと」

「うーん、じゃあ、これは?」

ポンッと今度は黒いチューブドレスに変わる。胸元には宝石がちりばめられていて、スカートにはかなり上の方まで、スリッドがはいっている。

「さっきよりすーすーしなけど、ちょっと大人っぽすぎるったい。あいつは少し少女趣味なところがある気がすると...可愛いものが好きとかいっとったし」

「注文が多いな...んじゃこれだ!」

最後のドレス。それは藍色の、あたしと同じ瞳の色をした、ロリータドレスだった。スカートは3段重ねになっていて、たくさんフリルがあしらわれている。中にはパニエをはいていてるので、スカートは常にふんわりとしていた。袖口は広がっていて、ここにもフリル。そして、同じ色のヘッドドレスを頭につけていた。ちゃもがびっくりして、あたしの肩に飛び乗る。フリフリでちょっと重いし、暑いけど...でも、綺麗だし、可愛いと思った。素直にそれを口に出してエメラルドに伝える。

「これいいったいね!きっとあいつの目にも新鮮にうつるったい!それに、このドレスあたしが小さいころに着ていたのとそっくりやし」

「サファイア、お前孤児なんじゃなかったっけ?」

「...昔はそれなりのとこの娘だったと。でもある日強盗が入って...男の子があたしの命は守ってくれたんだけど...魔獣のボーマンダってのにあたしはさらわれて...それで、生きるために泥棒してたと」

「そうだったんだ...」

自分の生い立ちを人(?)に話したのははじめてかもしれない。信じてくれると思ってなかったし。

「よし!じゃあ、サービスで城までパレードもつけてやる!んじゃいくぞ!サファイア!」

パン、パン、パンと色とりどりの花火があたしたちのいるオアシスにあがる。さあ、待っとると!あの超潔癖症の綺麗好き王子!




*****




城の中でも1番高いところにある、ボクの自室。今日は異国からボクと結婚しようと、ある姫がド派手なパレードを引き連れてやってきた。名前はファイア姫。なんだかどこかで会ったことがあるような口調と顔立ちで、何より驚いたのが、彼女の格好が今もボクの心の中で、その存在を燃やし続けている少女にそっくりだったのだ。しかし、その少女とファイア姫は性格が正反対で...おしとやかのかけらもない、むしろ野蛮な姫君で。ボクはがっかりした。

「はぁ...NANA、COCO。やっぱり彼女は...死んでしまったのかな...」

すると、外のバルコニーの方からコンコンとノックの音。

「...誰だい?こんな夜更けに」

「あたしったい!ルビー」

「!」

ボクは驚いた。いったいどうやってここまでのぼって来たんだ?急いでドアを開けると、確かに彼女はそこに、バルコニーの端のところに悪戯っぽい笑みを浮かべて座っていた。

「キミ...いったいどこから」

「それは秘密ったい」

「...ボクさ、今あんまり人と話したい気分じゃないんだ。帰ってくれないかな?」

「あたしはあんたに用があると」

ちょっと強引に、ボクに突っ掛かってきた彼女。ああ、なんか美しくない!声色が低くなる。

「...帰ってよ。それと、ボクはそういう野蛮なことをする人とは絶対結婚しないから」

威嚇していたNANAとCOCOに、それをやめるように指示して。くるりと後ろを向いて、ボクは部屋に戻っていく。

「...女性をほったらかしにしていくなんて...あんたみたいなのはこっちから願い下げったい!しかも、汚れるのが嫌いとか言って、自然の美しさを見よう、触れようとすらしない軟弱王子なんて!...わかったと。じゃ、さよならったい!」

なんだかカンに障る言葉に思わず彼女の方向を再び見る。するとそこには、座ったまま後ろに倒れ込んで、今にも空中に身を投げ出そうとしている、ファイア姫。次の瞬間、彼女は下に落ちていく。

「ちょ!ファイア!?」













「ふふ、驚いたと?」

そこには魔獣、トロピウスに乗って微笑んでいるファイア姫。仕手やったりといった顔で、ボクを見つめてくる。藍色の澄んだ瞳からはキラキラと、悪戯の成功を素直に喜んでいる光が見える。ボク驚いたと同時に、呆れた。

「驚いたけどさ...キミの方こそ、そんな顔はやめた方がいいと思うよ?女性なんだし」

「だってこうしなかったらあんたは部屋に戻ってしまったと」

にっこりと彼女が笑う。その笑顔に見蕩れてしまいそうになる。それに少しだけ、遠いあの少女が重なって見えたような気がして、ボクは彼女の話を聞いてみてもいいかなと思った。

「用件は?キミがこんな夜更けに訪ねてきた理由はなに?」

「一緒に空を散歩しようと思ったと。魔獣のとろろに乗って」

「...こんな夜遅くに?」

ボクは自分が常にBEAUTIFULな状態を保てるよう、早寝早起きを心がけていた。睡眠不足はお肌の天敵だしね。だから、彼女の誘いにのるのが、少しだけ気が進まなかったけれど、次の言葉でそれが正反対に変わる。

「ルビー!あんたにみせてあげるったい!世界にはあんたが知らない、もっともっと綺麗なものがあるってことを」

夜空に両手を広げて、満面の笑みを浮かべてながら彼女はそういった。完敗だ、ボクはそう思った。わかったよと一言言って肩を竦めると、ひょいとジャンプして魔獣に飛び乗る。ファイアは少し驚いた表情をしたのち、ボクが彼女の腰に手をまわし、抱きしめたのでたので、恥ずかしくなったのか、顔を赤くして俯く。

「...なして抱きしめとる?」

「落ちたくないし、なによりキミが可愛いから」

やられっぱなしはボクの趣味じゃないしね。とは言わなかったけど、どうやらこれは効果てきめんだったみたいで。みるみるうちに彼女の顔が、朱に染まっていく。ふふ、可愛いじゃないか。

「...とろろ、お願いするったい」

そうファイアが呟くと、魔獣は翼をひろげて、ぐんぐんとボクらを乗せたまま、空に上っていく。下を見ると、NANAとCOCOが手のひらに乗るくらいに小さくなっていた。それも直ぐに見えなくなって、ソフトクリームみたいに真っ白な、巨大な雲の中を行く。雲の切れ間に星がキラリ、キラリと見えた。




*****




見せてあげるったい
あんたの知らない 輝く世界を
綺麗好きな王子様 見たことある?
これは自由の花

目を開いて この広い世界を
魔獣の背中に身を任せて

大空 目がくらみそう
でも あんたも きっと気づく
世界の本当の美しさに

(Amazing!)
Beautiful! 信じられないね
ボクはこんなに美しいものを
見逃していたなんて

きらめく星はダイアモンド

ア・ホール・ニュー・ワールド
(心の中で)初めての世界
(感じるったい)流れ星は
不思議な夢に満ちているんだね
(本当の)星の海を(美しい世界を)

どうぞこのまま二人きりで
明日を一緒に見つめよう

このまま(ボクらが)素敵な(世界を)
見つめて(キミと)いつまでも・・・




*****




「なんだ、やっぱりキミはあのときボクを助けてくれた、サファイアじゃないか」

空の散歩を終えて、帰ってきたボクたち。バルコニーにボクを降ろし、自分の宛てがわれた部屋に行こうとしたサファイアにそう声をかけた。最初はあまりにも格好が違うんでわからなかったけど、彼女の頭の中に魔獣のアチャモを見つけたんだ。」

「な、なして?なしてわかった!」

「キミが連れてる魔獣のアチャモのお尻が見えてるから」

「な、ちゃも!でてきてはいけないって言っといたのに...」

アチャモは申し訳なさそうな顔をして、彼女の髪の毛の中に引っ込む。常に頭の中にいるなんて、ちょっと汚れるんじゃないかって思ったんだけど、なんだかそのしぐさが可愛いので、まあいいか。

「ちゃもは悪くないよ、だから叱らないで。でも、どうしてわざわざそんなお姫様みたいな格好をして、ここに来たの?」

「...」

顔を赤くして、俯いてしまったサファイア。

「...会いたかったと」

「えっ?」

「ルビーにもう一度会いたかったと!」

ボクは困ってしまった。だってボクには...心に決めた人がいるから。

「...キミには言ったよね?ボクには忘れられない人がいるって...その人は小さい頃に出会った子で、今のキミみたいなドレスを着てて。でも...たまたまその子の家に遊びにいった時に、強盗がきて...彼女をさらっていってしまったんだ...安否は不明で、今何処にいるのかもわからない。もしかしたらもうこの世にはいないのかも知れないけれど...彼女のことが今でも好きなんだ...だから」

ごめん、そう言おうとした時だった。サファイアの藍色の瞳がこれでもかってほどに見開き、ものすごく驚いた表情をして、言った。

「ルビーが、ルビーがあの時強盗からあたしを守ってくれた男の子?」

「えっ」

ボクは彼女のその言葉に驚きを隠せなかった。なんだって、今なんと言ったんだ!サファイアは!彼女は続ける。

「...あたし、昔はもっと裕福な家にいたと。でもある日、男の子と遊んでいたら、強盗が入ってきて...殺されそうになった時にその子があたしを助けてくれたんったい...でも、そいつらが乗ってきた魔獣のボーマンダにさらわれて...逃げ出したはいいけど...当てもなくて、泥棒して生きてたと...」

「...」

まさか、想い人がこんなに近くにいたことに気がつかなかったなんて...たくさんの感情がボクの心の中に渦巻いていく。そして、サファイアを強く抱きしめた。



*****







「...ルビー」

「無事でよかった...探しても探しても、見つからなかったから...」

あたしはは今、ルビーの腕の中に閉じ込められている。細身だけど、しっかりとした男の人の体。あたしを守ってくれたあの男の子が、まさかルビーだったなんて...なんだか夢みたい。涙がでてきそうになる。

「ルビー、でもあたしは...」

もう今は、本物のお姫様じゃない。そう言おうとしたその時だった。

「オーッホッホッホ!お熱いことですこと!こっちまで溶かされてしまいそうね」

「!」

上をみると、そこには魔法のランプを持ち、得意げな表情をしたブルーが宙に浮いていた。隣には無表情なシルバーが同じく宙に浮かんでいる。

「大臣!?」

ルビーが叫ぶ。サファイアはこのままでは、ランプの力を悪用されてしまうと思い、とろろに指示を出した。

「とろろ!つるのむちったい!ランプを取り返して!」

「ふん、いでよ、ニューラ!氷のつぶてだ!」

シルバーがニューラを繰り出し、その攻撃が、とろろに直撃する。羽に当たったので、バランスを崩し、バルコニーに巨体が落ちてくる。

「大臣!これはいったいどういうことだ!」

「ルビー王子、あたしはあなたと結婚して、ここを支配しようと思っていたの。なのに、その子と結婚しちゃいそうなんですもの。だから、二人ともいなくなって貰おうと思って」

そう言ってブルーが自身の魔獣、カメックスを繰り出し、二人に止めを刺そうとした時、後ろから鬼のような顔をした男の人が現れ、彼等を拘束した。

「ブルーお前がそんなことを考えていたとはな...私は悲しいぞ」

「!」

いつの間にか、彼女の後ろにこのミシロの国王、センリが現れ、彼女とシルバーを捕まえてしまったのだ。サファイアはその工程のあまりの素早さに目を見張った。

「父さん...」

「...この二人には後できちんと灸をすえておく。ほらっ」

ランプをセンリさんはあたしたちの方に落とす。それをルビーがキャッチする。

「ありがとうございます...センリさん」

「礼には及ばない。やっとうちの馬鹿息子が結婚できそうなのだ。君も自分の身分のことなど全く気にする必要はない」

そういって、センリさんは悪者二人を抱えて、何処かに去っていってしまった。

「ルビー...」

「サファイア、父さんもああいっただろ?だから今更キミのことをとやかく言う人間はいない。だから、ボクの隣にずっといてくれないかな。といっても、嫌でも一緒にいてもらうよ。ボクはやっと見つけたキミを離すつもりなんて全くないんだから」

笑顔でルビーはあたしに話しかけてくる。今のあたしの心に渦巻くこの気持ちの名は"幸せ"。あまりにも幸せすぎて、死んでしまいそうったい!でも、あたしは昔は裕福だったけど、今は違う。それが頭の中をグルグルと回る。一緒にいていいのか、不安になっていく。

すると、あたしとルビーの真ん中にあったランプからモクモクと煙りがでてきて、エメラルドが現れる。

「はぁ...お前らオレを真ん中にはさんでいちゃつくなよ」

「エメラルド!」

なんだか顔がものすごくイラついてるみたいに見える。

「...サファイア、あと1つだけ願い事をオレは叶えてやれるんだからさ、それを使って本当のお姫様になればいいじゃん。そうすれば気兼ねしなくてもいいだろ?オレお前ら嫌いじゃないし、自由なんて必要じゃないから...さあ、願っちゃえよ」

エメラルドがそうあたしに言う。でも、あたしの答は最初から決まっていた。

「エメラルド、あんたに自由を」

「!」

彼の手首や足首についていた拘束の輪がガシャンと外れていく。彼の驚いた、そして嬉しそうな表情。

「...ありがとう」

「これは前から決めてたことったい。約束は守る」

「サファイア、ボク状況が読み込めないんだけど?このクロワッサンヘアーの人、誰?」

ああ、そういえばルビーは知らないんだったっけ。あたしをお姫様にして、あんたに会わせてくれたこの小さなキューピッドのことを。

「ランプの精ったい!願いを叶えてくれたと。ルビーに会えたのも、エメラルドのおかげったい!だから、彼が願っていた自由をプレゼントしたと」

「...なるほど、ボクら二人の恩人なんだね、キミは。ありがとう」

「...別に...オレはただ願いを叶えただけだし...」

顔が赤い。なんだか可愛いったいね、エメラルド。

「...でも、本当によかったのか?サファイア、お姫様にならなくて」

勿論、不安はあるけれど、でも大丈夫だってあたしは気がついた。例えどんなあたしでも、ルビーは愛してくれるって。

「ルビーがいれば大丈夫ったい!」

「なんだ、よくわかってるじゃないか。じゃあ遠慮なく襲わせて貰うよ」

えっ?今なんつったこの人。なんか、物凄くいい笑顔なのに、なんだ恐いって感じると。えっ襲う?えっ?えっ?まさか!

「ちょっルビー!ここ外!外!」

「別に何処でもやれ「お前ら!オレの前でいちゃつくなあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!!」




*****





オレの友達サファイアとルビー。二人は結ばれ、結婚し今は仲睦まじく国を治める手伝いをしている。灸をすえられた悪者二人はもうこんなことが二度ないようにと、ある国に飛ばされ、そこの国の王子に大臣が一目惚れし、心を入れ替えたとかなんとか。まあ、平和な世の中になったらしい。

んで、自由になったオレの最近の悩みは、そいつらが場所を問わずイチャイチャすること!まったく、これじゃランプの中の方がましだったよ!アツアツバカップルじゃん、あいつら!


なんとかしてくれ!















あとがき



なんか、カオス。

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あきゅろす。
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