short novel
※COLORS
日記で書こうとした話じゃなくなってしまった。クリスマスなのに若干えろになってしまった←
でも、前から書きたかったネタです。宇多〇ヒカルのある曲がモチーフ。ってか題名の曲です。しかも少しだけ歌詞を載せてます←
ご理解下さい。お願いします
好きに描けばいい。キャンパスはアンタのものだから
「クリスマスなのに、クリスマスなのに、クリスマスなのにい!!!何を考えとる、あいつは!」
あたしは一人部屋で先程のルビーの行動を思い出し、怒り狂っていた。だってルビーったらいきなり秘密基地の中にいたあたしをなんのムードもないのに「サファイアって名前のボクのプレゼントあけてもいい?」と笑顔で押し倒してきたからだ。
確かにクリスマスなのだから、最終的にそーいった行為に及ぶことはわかる、わかるけど...ケーキもプレゼントも何もなく(ルビー曰くキミがプレゼントでも!)そーなるのはデリカシーがなさすぎるったい!全く。
ルビーを蹴りあげ、持ち前の足でなんとか逃げ切り、自宅まで戻ってきて...そして今に至る。
「...別にアレが嫌いって訳じゃなか...その...恥ずかしいけど...気持ち...いいし...なんだか...すごく...幸せ...になる...し...」
頭の中に裸で抱き合うあたしとルビーがフラッシュバックしてくる。明かりのない、薄暗い黒の闇が広がり、そしてベッドの中で浮かびあがる、彼の嬉しそうな切なそうな...余裕のない表情。声が飛び交い、四肢が交わり...頭が世界が真っ白になって果てたあと、ベッドに2人が沈む。汗がキラリと光り、もう絶対に離さないと腕をあたしの背中に回して、苦しくて息ができなくなるほどに、行為のあと抱きしめてくれる。耳元で愛を囁いて、このまま永遠に一緒にいられるのではないかと感じさせてくれる...そんな記憶が頭の中を駆け巡り、カァアァアっと顔から真っ赤な炎がでそうになるほど熱くなる。そしてそのままふわふわと茹だって湯気がでていきそうになる。
ルビーお手製のアチャモドールを抱えて、あたし以外誰も部屋にいないのに、それを見られたくなくて、隠す。
「でも...いきなりは...あたしまだ...慣れてないし...心の準備が...でも...あの曲みたいに...ルビーには...あたしを...好きにして...」
「なんだ、したくなくて逃げたんじゃないんだ」
「!」
ふと見上げるとそこには先程あたしの頭の中で愛しあっていたルビーが後ろに手を組んで、笑顔で目の前に立っていた。
「な!いきなりやろうとしてきたんだから逃げるのは当然ったい!」
「キミがプレゼントなんだから、すぐにあけたくなるのは当然でしょ?サファイア」
「だからって急すぎるったい!ケーキも何にもないなんて、クリスマスじゃなか!」
「ケーキもキミだよ?だってキミの身体どこを舐めても甘くて美味しいんだもの」
だあぁああぁあそんな笑顔で恥ずかしいことを言うなったい!またいろいろと思い出してしまうと。その...アレを。ルビーの舌先があたしの身体をなでていく、あの感触を。また恥ずかしくて茹だりそうになったあたしは再びアチャモドールに顔を沈め、自分の顔をルビーに見られないようにする。
つかの間の沈黙のあと、ちらりとルビーを見るとなんだか申し訳なさそうな彼がいて、その口を開いた。
「...まあでも、ムードがなかったことは謝るよ。ごめんね、サファイア。これで許してくれないかな?」
そう言って後ろから色鮮やかな薔薇の花束をあたしに差し出した。ルビーの瞳に負けないほど紅色をしたそれの美しさに、あたしは魅了される。
「綺麗...ありがとう、ルビー」
「よかった、機嫌直ったみたいだね」
ベッドに腰掛けて、花束ごとルビーは優しくあたしを抱き寄せて、細身だけどそれでも男性を感じさせてくれる、彼の胸の中に閉じ込めた。そして耳元で囁く。
「その花束が霞むほど、ボクにとってはねサファイア、キミの方が何百、いや何千、何万倍も美しいけどね...」
「ううっ恥ずかしいったい...」
実はムード作りはルビーにとっては至極簡単なことなのだ。むしろ演技派な彼が下手な訳がない。何時だってあたしは彼の口車にのせられてアレをしているのだから。
「その海のように深い藍色の瞳に敵う紅色はこの世に存在しないよ...この薔薇ですら敵わないんだから...ボクの紅色ですら、キミのその色に侵食されて、消えそうになる...」
「はうっ...もうやめて...ルビー...」
「どうして?だって全部本当のことだよ?サファイア」
そうやって甘い言葉を囁き続けて、身も心も蕩けてしまいそうなあたしにルビーは止めを刺す。
「ねえ...しようよ?サファイア。そんな美しいキミがボクによってもっともっと美しくなるところをみたいな...」
そう言ってベッドに押し倒してきたルビー。そのひどく優しげな紅色の瞳と笑顔にあたしの心が震える。
しかし、実は最近気がついたのだか、あたしはこうしてやられっぱなしであることをあまり好ましいと思っていないということだ。だから少し彼のペースを掻き乱してやりたくて、いきなりなのは承知である歌を歌った。
*****
ミラーが映し出す幻を気にしながら
いつの間にか速度あげてるのさ
何処へ行ってもいいと言われると
半端な願望には標識も全部灰色だ
炎の揺らめき 今宵も夢を描く
貴方の筆先 乾いていませんか?
青い空が見えぬなら青い傘広げて
いいじゃないかキャンパスは君のもの
白い旗は諦めた時にだけかざすの
今は真っ赤に誘う闘牛師のように
*****
「COLORS?なんでいきなり歌ったの」
「ルビー、アンタ、この曲どう思う?」
「どう思うって...鮮やかな色が歌詞の中にたくさん出てきて、歌なのに、聴覚のみに訴えるのではなく、視覚も同じくらいに刺激するすごく美しい歌だと思うよ?」
しめた、やはりルビーはこの歌の本当の意味を知らなかった。あたしは嬉しくなって、それを教える。
「ルビー、これはね、本当はすごくえっちな歌なんったい」
「...どうしてだい?ボクには理解できないんだけど...」
「男の人がその...はじめて女の人とする事を[筆おろし]って言うったい。この歌詞で"貴方の筆先乾いていませんか"ってのはその...久しくしてない人のことをさしていってるったい」
「...キミの口からそんな言葉がでるとは思わなかった...」
「せからしか!...そのこの曲は新婚旅行に行った時に作った歌らしいと。彼女の旦那様は映画監督で...つまり人の夢を描くのが仕事ったい。だから"今宵も夢を描く"ってところは...そーいう意味ったい」
「つまり、セック「最後まで聞くったい!サビの部分で"キャンパスは君のもの"ってとこがあると。それはつまり、彼女の身体をさして言ってるったい..."白い旗は諦めた時にだけかざすの"は...その...頭が真っ白になった...そのときのことを...そして"今は真っ赤に誘う闘牛師のように"は...誘ってるって意味ったい...あと」
*****
もう自分には夢のない絵しか描けないと言うなら
塗り潰してよキャンパスを何度でも
白い旗は諦めた時にだけかざすの今の私は貴方の知らない色
*****
「この、"塗り潰してよキャンパスを何度でも"はその...自分の身体を好きにしていいって意味ったい。ぐちゃぐちゃにしてもいいって...だから、この歌は...その...すごく官能的な意味を秘めてるったい。まあ人間の大罪の一つに色欲ってのがあるから...色ってもとからえっちなのかも知れん...」
「なるほど。つまりサファイア、キミが言いたいことは、今度からボクに好きなだけ"お絵かき"されても、なにも文句を言わないってことだね」
押し倒していた腕に力が込められて、身動きが全くとれなくなる。えっあれ?なんかすごくルビーが笑顔なんですけど...昼のサンサンと輝く黄色い眩しい太陽みたいな笑顔なんですけど!
それに比例してあたしの全身に冷たい青い汗が吹き出して流れていく。そしてルビーの手が服を脱がしていき、あたしというキャンパスが現れる。ルビーだけがこのキャンパスに絵を描くことを許されていて、首筋や胸や臍や太股や足を彼の手がなぞっていく。下調べをしているのだ。用紙がどんなだかを。そうやって彼の手が触れるたびにあたしは早く描いてほしいと、赤や黄や青や白といった声をあげる。そしてルビーの筆先がキャンパスに触れて、絵を描き始める。
薄暗いはずなのに、黒いはずなのに、あたしたちは色めき立っていた。
「あ、"お絵かき"ってのいいかもね、今度から誰かがいるときとかにしたくなったら、そういってその場を離れようね、サファイア。誰にもわかりはしない、ボクたちだけの合言葉ね♪」
自分がルビーの色に染められていく中、すごくあたしの顔が後悔の色をしていることをどこかで感じつつ、まあいいかと思っていた。今日はクリスマス、世界中が夜の闇を赤や緑といった鮮やかな色にしているのだから、と。
あとがき
COLORSの歌って実はこーいう意味なんだぜ、って話です。ちなみに私が解釈したのではないのですが...他にもありますので、それはまたやろうかなって思ってます。
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