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姫と騎士
03


なにあれ…


2人の背中を見送り再び閉まった扉を見つめたまま動けずにいると侍女の1人、ミーナに話しかけられる。


「マリアンナ様、お部屋にお戻りになりますか?」


「…ちょっと寄り道していきます」


私が歩き始めると2人は三歩下がって後ろから付いてくる。


お父さまの馬鹿!
ばかばかばか!


西国の第三王子なんて会ったことも見たことすらないわ。


東西南北の各王族にはパーティーや式典で面識はあるはずだけれど、西国から来るのは毎回王と王妃、そして第一王子と第二王子だけ。


第三王子なんて存在することすら知らなかったし、きっとパーティーや式典に来ないくらいなら国内でも日陰の存在に違いない。


そんな相手と結婚するなんてまっぴらごめんよ。


お父さまなんてキライ、と考えながら歩いているうちに目的の場所に着いた。


窓から外の下を眺めると、そこでは騎士団が剣の稽古をしている。


この場所は城内で騎士団の稽古を見ることができる私のお気に入りのスポット。


城内で稽古が出来るのは王直属の第一級騎士団だけで、我が国の世界に誇る騎士団の中でも選び抜かれた者たちだけで編成されている。


幼い頃から私はたびたびこの場所に来ていた。


ぼーっと、ひじを窓の縁につき手のひらで頬を支えながら窓の外を眺める。


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