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姫と騎士
02


「いやよ、そんなの知らない。私は自分で決めた人としか結婚しない。他国に行くだなんてとんでもないわ!」


「第一王女が何を馬鹿なことを言っている。何のために蝶よ花よと育ててきたと思っているのか。すべては他国に嫁がせ我が東国との絆を確かにし、国の安定を図るため」


「私が蝶よりも花よりも美しいのは事実のこと。そんな私を政略結婚のための道具のように扱うなんてひどすぎます」


「何を言うか。マリアは大事な我が娘、道具のように思ったことなど一度としてない。生まれてこの方おまえには惜しみない愛を感じている」


「お父さま…」


言われた言葉にジーンとする。


確かに幼い頃からお父さまは私にメロメロで、ねこ可愛がりしてくださった。


「だがそれとこれとは話は別。おまえの結婚相手は西国の第三王子。武力に長けた立派な青年だ」


「っ!お父さまの馬鹿!もう知らない!!」


お父さまからの許可を得る前に王の間から退室する。


不敬罪にあたる行為だけれどいまはそんなことは気にしていられなかった。


背後からの「マリア!」という声を遮るように扉を閉める。


バタン、という大きな音に扉の前で待機していた者たちが一斉にこちらを向いた。


わたしお抱えの侍女が2人に、なぜか騎士団長と宰相がいる。


「やはり失敗したか」


「そのようですね」


騎士団長と宰相が私を見て一礼しそんな会話を交わしながら王の間へと入っていった。

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あきゅろす。
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