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恋と呼ぶにはまだ早い
08
…陽光の気持ちはいまだに私にはよくわからない。


どうして私たちは付き合っているのか、陽光が私のことをどう思っているのかも、何も。


そもそも付き合うってどういうことなんだろう?


いまの私と陽光は付き合っていると言っていいのかどうか。


今日みたいな態度をとられるとそのうちあっさりとこの関係が解消されそうで不安になる。


陽光に別れるとか、2人の関係を終わりにされる言葉を口にされたら私はきっと何も言えない。


ただ、言われるままに頷くことしか出来ないに違いない。


どんどんマイナスなことを考えてしまいはぁ…とため息を吐くとお母さんに心配そうな表情で顔を覗きこまれた。


「やっぱり元気ない。皇輝くんも大学生になって家を出ちゃったし、香澄ちゃん寂しいんじゃない?」


皇ちゃんは大学生になった1年前から家を出て1人暮らしを始めた。


ここからでも十分通学圏内の大学に入学したのだけど瑞波家の教育方針で大学からは1人暮らしをしなければならないらしく、面倒だけど仕方ないと言って皇ちゃんは家を出てしまった。


「そうかも。皇ちゃんにいつでも会えなくなっちゃったのは寂しいな」


「香澄ちゃんは皇輝くんになついてたし、皇輝くんもいっぱい可愛がってくれたものね」


「うん」


「そういえば皇輝くんが引っ越す日に泣きそうになってたわねぇ」


「そんなこと思い出さなくていいよ…恥ずかしい」


「だって覚えてたから」


泣きそうになっただけで泣いてはいない。


でも結局、皇ちゃんを見送った後に陽光にうじうじすんなと頭を叩かれて泣いてしまったのだけど。


私は自分のすぐに泣いてしまう所を早く直したい。


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あきゅろす。
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