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恋と呼ぶにはまだ早い
05
「いまっ!時間の無駄って言った!学校で会えるのも話せるのもこの時くらいしかないのに」


「…なんの話?」


「私たちの話だよ!遼亮とクラス離れて、学校では全然会えなくて、でも瑞波がうちのクラスに来てから会えるようになって私は嬉しかったのに」


ひどいよ遼亮…と言いながらりっちゃんの瞳には溢れそうなくらいに涙がたまっていた。


「ええ?」


思いもよらない展開に、私もびっくりしたけれど守沢くんはさらに驚いていた。


そして対処方を思案してあたふたしている。


「理絵、そういう意味で言ったんじゃないって。わかるだろ?」


「わかんない」


「理絵、」


「ぶっ」


「…なに笑ってるんだよ、瑞波」


守沢くんとりっちゃんのやりとりを遮ったのは、陽光の吹き出した声だった。


「おまえらがうぜぇから」


「は?」


「こんな公共の場で痴話喧嘩すんなよ。しかも理由がくっだらねー」


「余計なお世話だ。だいたい痴話喧嘩なんかじゃない」


「ちょっと瑞波」


「あ?なんだよ」



「いまは私と遼亮が話してるのに、入ってこないでよ!」


「俺に指図すんな。つーかさっきから言ってることがキモい。遼亮遼亮、てめぇの世界の中心はこいつかよ」


「それのなにが悪いの?」


「本当、ばっかじゃねーの」


呆れたように陽光がそう言うとりっちゃんは唇を噛み締めて悔しそうな表情をする。


そして口を開きまたなにか陽光に言おうとしたのを、守沢くんに止められていた。

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