恋と呼ぶにはまだ早い
04
そう思いながら拷問をしばらく耐えたていたら、私の頭から陽光の手が離された。
そのことに安心したのも束の間。
束の間というかほんの一瞬。
今度は両側から同じく頭を抱えられて、思いっきり前後左右にぐるぐるぐるぐる。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐ…
「やっ、やあああぁー」
「うっせえブス!」
「やめ、てよ!ひかる、ひかる、陽光、お願いっはなしてぇ」
あまりの激しさと気持ち悪さとの衝撃で、脳しんとうになると思った私は必死で悪魔の名前を叫んだ。
「〜っ、…?」
すると、さっきまでの激しい揺さぶりが嘘のように止んだ。
嵐が治まったかのような静けさだ。
私は、クラクラする頭をどうにかこうにか奮い立たせて顔をあげる。
陽光はにっこり微笑んでいた。
「俺が言ったこと思い出したか。もう忘れんなよ。またさっきみたいに」
「わかっ、分かった!分かったからひか…いったぁ!!」
「おまえごときが俺の言葉を遮るな」
頬を容赦なく叩かれてしまった。
でも陽光は一応は容赦してくれたのかもしれない。
本当に容赦なく思いっきり叩かれたりしたら冗談じゃなく脳しんとうを起こすだろうから。
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