5/28〜シェアル
それはそういうことなんだと思わせて。
いつものように勝負を挑まれていつものように負かした彼の隣に座って少女は思う。
「ねぇ、シェゾ」
魔導師としての経験からも何もかも、明らかに彼の方が上なのだ。なのにどうして自分はいつも負けないのか。
彼は潜在能力がどうとか言っていたが、そうなのだろうか。確かに最初はお互い本気だったのからそうなのかもしれないが今は何となく違う気がする。
だって。
「君、わざと負けてない?」
(だってこれは自惚れではなく、修行次第でボクはキミを越すだけのものはもっているらしい)
(ということは、ボクが本当に君を越えた状態なら)(加減の出来ないボクは、君を、)
「俺が、なんのために?」
「……ボクの、為に」
ボクが負けたらボクは君に魔力を貰われてしまうから。
(これは自惚れでいいから)
「……さぁな」
(きみは、ぼくを)
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