小説 The bouquet with love(ホケガミ:藤アシ) ホワイトデー。 バレンタインデーになけなしの勇気を振り絞った君に応えなければ、男が廃るってモンだろう!! うるさい女共を振り切って、たった一人をひたすら探す。 明日葉郁。 同じ男だけど、可愛い恋人。 きっかけは先月のバレンタイン。 だってなぁ、あのアシタバがバレンタインに、はんなりと微笑んでチョコをくれたんだぞ!? 告白つきで!! そこらの女より可愛くて、恥ずかしがり屋のアシタバが、だ!! 俺の片想いで終わると思ってた。 それが両想いだと分かった日にゃあ、嬉しくて嬉しくて!! その場で返事をして。 驚いていたアシタバに勢いでキスまでした。 ハデスや美作達にカミングアウトして、今じゃ頼もしい協力者だ。 最後まで妹尾の奴がうるさかった(結局アシタバと鏑木の弟が説得して落ち着いた)が。 ………話が逸れた。 アシタバだ、アシタバ! 一緒に帰る約束してたのに、女共に捕まる訳にはいかねー!! アシタバにやるプレゼントも持って来てんだ、この俺が!! 「あ、藤くん」 教室にちゃんと居てくれたアシタバの笑顔に癒される。 「だ、大丈夫?」 「………おう。帰ろうぜ」 「………うん」 嬉しそうなアシタバを見るだけで本当に癒される。 ………アシタバ無しじゃ生きていけねーかも、俺。 「藤くん、本当に大丈夫?」 アシタバの声で我に返る。 慌ててアシタバを見ると心配そうに俺を見つめていた。 どうやってアレを渡そうかと悩んでいたから、アシタバへの反応が遅れた。 「あの、な、アシタバ」 「うん?」 ごそごそと鞄を漁って、ミニブーケを渡す。 「え、あ、え?」 「ハゲに『恋人にバレンタインのお返しだったら何やる?』って聞いたら、花が良いだろうって。ちなみにそれな、俺のアシタバのイメージで作って貰った」 「………えええええ!? こ、これ僕なの!?」 淡い色合いで纏められた、可愛らしいブーケを持つアシタバは、更に可愛い。 顔を真っ赤に染めて小さく 「嬉しい」 と言ってくれた。 ああもう、可愛すぎる!! 俺はアシタバの耳元で。 「愛してる」 と囁いた。 愛をこめて花束を ブーケで顔を隠しながら応えてくれた君へ、キスをした '11.03.14 [*前へ][次へ#] |