小説 Mysterious spectacle.(幻水5:ロイ王)50人目、自爆 うわ、ほんとにそっくり。 まるで鏡だ。 それが彼と出会った時の、僕の正直な感想だった。 セーブルで自分そっくりの山賊が居ると聞き。 いきり立ったリオン、サイアリーズ叔母さんを宥めつつ。 カイルにも来てもらって、陣形を組み直し、セーブルへ。 ダインさんやボズさんと合流し、山賊達の根城らしい乱稜山へと向かった。 (乱稜山入口で、セーブルと同じように、警備兵に間違われたけれど) 山頂近くに山賊達が居たけれど、彼等ですら間違えた。 どれだけ似てるのか、俄然、興味が出てきた。 「…んで、興味は尽きねぇの?」 僕の偽者―――ロイに、にっこり笑って頷いた。 「こんなに似てるなんて思ってなかったから」 「ツラだけな」 ニヤリと笑う彼は、獣の様で。不覚にもドキリとした。 誰にも言えないけれど、ロイが僕の恋人。 名前もたまにしか呼んでくれないけれど、それでも嬉しい。 魂の半身のような、存在。 「なあ、面白いイタズラ思い付いたんだけどよ…やるか?」 「うん!」 そして僕達は、寄り添う。 『どーっちだ?』 リオンにはすぐバレるから、他の人(主にカイル)がターゲット。 『王子』と『ロイ』。 さあ、見分けて? 不思議な光景 すぐリオンにバレて、怒られたけれど。いつでも一緒にいたいな。 [*前へ][次へ#] |