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誓いの日
誓いの日 G エロ注意!
覆い被さるネジ様の重みを心地良く感じながら、私はその肩越しに天井を仰ぎ見ていた。
ぽっかりと開いた天窓から覗く綺麗な星空。
綺羅綺羅と輝く星達が一部始終を見ていた…


「桃香。」

低く名を呼ばれ、首筋を啄む温かな唇の感触に酔いしれる。
もう…このまま…

馬鹿みたいにネジ様を意識して、どうしようもなく恥ずかしかった先程までの事が、まるで嘘のようだった。

『お床入れ』
『身も心もネジ様の物になる』

嬉しそうな瑠璃の言葉が齎した羞恥心。
男女の交わりについて何も知らない訳ではなかったけれど、いざ自分がそれを経験するのだと意識すると、どうしようもなく羞恥を覚えた。
加えて、ネジ様のお相手が私などで本当に良いのかと言う不安が、頭を擡げ始めて…

日々ネジ様のお心に触れ、『私などで良いのか…』と言う不安は薄らいではいたけれど、名実ともにネジ様のものになる、妻になるのだと意識した瞬間、今日の体調不良の一見も相まってか、心が弱くなってしまった。
どちらも今更と言う感じの事柄ではあるけれど、だからこそ、どうしたとネジ様に問われても素直に打ち明けることが出来なかった。
馬鹿者…と、不興をかってしまいそうで…

でもそれも今は…

残酷で美しい笑みに魅入られ、触れる唇に甘く溶かされて、陶酔感で白く塗りつぶされ私の中に残ったのは『本能』
強いものに屈したい、支配されたいと言う『願望』だった…




「桃香」

細い体を組みしいてその名を呼んだ。
表情を窺えば、潤んだ目で天井を見つめる恍惚とした表情に煽られる。
白い首筋に唇を押し当てゆっくりと弄れば、力の抜けきった体がピクリと反応を見せた。
真新しい白い着物の胸元の合わせから、滑らかな肌が覗いている。
部屋を満たす白檀の香りとはまた違った良い香りが、その真白い肌から立ちのぼる…
香油でも塗り込められたのだろう。
初夜を迎えるためにと、側仕えの娘に体の隅々まで磨かれた時の、桃香の恥じらう様子が目に浮かぶ。
名実共に俺の物になるために、美しく磨かれた躰…

華奢なラインをゆっくりとなで上げ、そのまま片手を重なり合った体の間に滑り込ませる。
着物越に感じる熱が、桃香もまた情欲に身を染めていることを物語っていた。
やめてくれと言った所で、もう既に体は俺の物になりたいと言っている。
強引に体に思い知らせてやるもなにも…
この場で奪ってしまったとしても、それはもう残酷な仕打ちでは無いと言うことか。

平らかな腹部に当てた掌を少しずつ這い上らせ、慎ましやかな膨らみに触れると、恍惚の中をさまよっていた筈の桃香が、俄かに抵抗をみせた。

「や…ネジ様…」

掠れる声で訴え、微かに首を振るその抵抗を無視し、着物の裾を割って太ももの滑らかな感触を味わいながら、弱々しくもがくその動きのせいで乱れた胸元に唇を寄せる。

「ネジ様…ネジ様…」

抗議の声がやがて俺の名を呼ぶ切なげな声に変わって行く様が、更に俺を煽りたてた。

「桃香」

閉じたままの瞼に口付け、重ねた体を離す。

「ん…」

一瞬目を開いた桃香の体を抱き上げ、そのまま寝所へと向かった。
抵抗する素振りもなく、黙って抱かれている桃香を驚かせぬよう、ゆっくりと隔てていた障子を開け放つと、室内に敷かれた一組の布団が目に付いた。
正に初夜を迎える為に整えられた上質な夜具。
上掛けをはねのけ、その上に桃香を横たえると、冷たいシーツの感触にふと現実に引き戻されたのか、夢見心地の表情に緊張の色が浮かんだ。
その緊張感が強くなる前に再び恍惚の世界に誘うべく、両の太股を割って体を重ね、両手首を捉えて布団の上に縫い付けた。
何事か呟こうと開かれた唇を塞いで熱い口内を弄り、余計な事は考えられないよう快感を与え続ける…

「ふ…っ…」

鼻にかかったような甘い喘ぎを耳にしながら、前縛りの帯に手をかけ一息に解いて行く。
途端、ピクリと体を捩らせ、抵抗を示す桃香の脇腹をゆっくりとなで上げ、まだ硬い胸の膨らみを掌で包む。

「ひ…っ…あ…」

柔らかく揉み上げ、嫌々と頭を振る首筋に唇を押し当て、触れるか触れないかの微妙さで舌を這わせた。

「は…あっ…」

くすぐったそうに身を捩り、新たな陶酔を感じてか再び四肢の力が抜けて行く。
なすがままに脱力し、目を閉じてうっとりとした表情をみつめながら、着物の合わせを左右に捲る。
素肌に掌を滑らせ、そのまま片手で胸を包むと、既に頂は硬くなって愛撫を待ちわびているようだった。

「あぁっ…」

軽くつまみ上げて弾いてやると、桃香は一際高い喘ぎ声を上げた。
もう一方の乳房を柔々と揉みながら唇を寄せ、舌先で微かに触れると弓なりに背を反らし、快感を露わにする。

「あぁ…」

どんどん切なげになってゆく喘ぎ。
胸の頂を口に含んで舌で弄び、同時にもう一方の頂を指でなぶれば、すすり泣きにも似た声を漏らし始める。
両太股の間に割り込ませた片膝を、ぎゅっと挟みつけて身悶える様は、酷く艶めかしく普段の桃香からは想像する事の出来ない媚態だった。
男を知らぬ乙女から、そんな反応を引き出すことが出来る事に、俺は満足感を味わっていた。



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