[携帯モード] [URL送信]

a man with a double character

 



怖くて怖くて…


まるで蛇に睨まれた蛙のようだった。

今まで普通に話していたのに、睨まれる。



な ん で 私 は 睨 ま れ る ?



わからない、わからない。


ガチャッ


「こんにちは……湖空先輩…」


部室に入って来た人物は鳳だった。

鋭い目で私を睨んでくる。


「チョタぁ、美乱ね…さっき、彗歌に虐められたのぉ…」

「なっ、美乱先輩!大丈夫ですか?」

「…美乱、怖ぃ…」


それを聞いた途端、鳳が私を殴ってきた。

それを合図に跡部以外のメンバーも私を殴ってくる。

美乱は跡部に抱かれてわざと震えるふりをしている。


そして言われる罵声罵声罵声。


「クソクソ!マジで許さねぇ!!」

「美乱に何してんだ!!」


ああ、みんな美乱美乱。

なんで殴れるの?


私達、仲間じゃなかったの?


『…いっ……痛い!!』

「五月蝿い!!」

「美乱に謝れよ!!」


えっ?

なんで?


なんで私が謝るの?


悪い事した人が…嘘をついた人が普通は謝るんだよね?


嘘をついた美乱が謝るんでしょ?


『……嫌だ…私は何も…していない!!』

「嘘つくんじゃねぇ!!」

「ふざけんな!!」


嘘ついてるのは美乱の方だよ。

なんで私の言葉を信じてくれないの?


殴られ蹴られ倒れた私の身体。


痛い痛い痛い痛い痛い


全身が火の着いたように痛い。


「湖空。」

『……跡部。…っ!?』


跡部は私の左手を踏みながら私にはっきりと聞こえるように呟いた。


「…湖空。美乱に謝らねぇと言うのなら、お前に地獄を見せてやるよ。」


そう言って跡部達は練習に向かった。


震えが止まらない。


ああ、醜い


なんで気づかないの?


美乱が笑っていることに…






  

[*前へ][次へ#]

4/7ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!