a man with a double character
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彗歌は気づいていたんだね。
彗歌と僕は双子だった。
僕が姉で彗歌が妹。
僕は生まれつき体が弱かった。
それを父と母は許せなかったらしい。
病気の娘がいるという世間の目が嫌だったらしい。
だが、病気は多額の医療費を出せば治せた。
しかし、父と母は出してはくれなかった。
二人は金に貪欲だったのだ。
だから、満足な治療を受けられなかった僕は死んだ。
そう、あの二人は僕を捨てたんだ。
僕はあの二人が憎かった。
そして元気な体で生まれ、愛情をもらって生きていた彗歌が憎かった。
気がついたら僕はただの悪霊になりかけていた。
だけど
彗歌の笑顔を見ているうちに憎しみは消えてしまった。
僕は彗歌の中でひっそりと生きていくことにした。
彗歌の成長していく姿を見守りたいと思った。
あの笑顔を守りたいと思った。
だけど、今回の事件が起こった。
彗歌を嫌う奴が許せなかった。
彗歌を傷つける奴が許せなかった。
彗歌に死ねと言った奴が許せなかった。
僕は彗歌の二重人格として現れることにした。
これで彗歌を守りたかった。
だけど、ごめんね。
今彗歌の体は落ちてる。
彗歌を僕は守れなかったんだ…。
ごめんね…
これは僕の最後のワガママ。
僕はやっぱりあいつらは許せないや。
『…っ、あはははははは!!!!よかったね、美乱!明花!!君らの勝ちだよ!!!おめでとう!!だけど、僕は絶対に許さない!!!跡部達真実がわかったんだろ??だったら…。』
彗歌を守れなくて
ごめんね…
気がついたら僕は涙を流していた。
『一生後悔しろよ。』
グシャッ
そんな音を立てて地面に叩きつけられた。
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