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a man with a double character

 






朝起きると心臓がバクバクと壊れるくらいに高鳴っていた。


今日で真実を暴かせるんだ…。

絶対に負けられない。



雛歌から聞いたけど皆に来なくていいと言ったらしい。


仕方がないよね、あんな目に合わせてしまったんだもの…。

雛歌の判断は正しい。

皆に無理はさせられない。


例え、私しか動けないとしても私は絶対に美乱に勝つんだ。



『そうだよ彗歌。』

雛歌。

『僕達だけで終らせるんだ』


うん、行こう。


私は支度をすませると、強く、強く踏みしめて、学校へと足を進めた。




学校に行くとまだ誰も来てはいなかった。

無理もない、部活が始まる1時間前に来たのだから。


理由は皆が来られなくなったから、早めに来てスクリーンをセットしようと思ったからだ。

本当は皆がいてくれれば当初の作戦通りにやりたかったけど仕方がない。


なんで私が当初の作戦通りにしたかったかと言うと、今みたいに朝スクリーンをセットして誰かが部室に来たとしても全員一斉に来れる訳じゃない。

美乱側に着いている人が大人しく皆が来るのを待ってくれるとも限らない。

だけど、今はこれしかない。



私はスクリーンをセットしようとボタンを押そうとした。



ガチャ



だけど、押す前に誰かが来てしまった。



『!?…っだ、誰?………え?』


後ろを振り向くとそこには彼らがいた。

私は目を疑った。

そして、思わず涙を流してしまった。


だってそこには…。



「よう!」

「彗歌だC〜!」

「おはようございます。」

「今日も早いね。」



宍戸、ジロー、日吉そして滝君。


『み、皆……どうして…。』

「やっぱりじっとしていられなくてな!」

「そうだC〜!」

「湖空先輩だけじゃ心配ですから。」


皆…私のために…。

どうしよう、すごく嬉しい。


『…ありがとう。でも、本当にいいの?怪我だってしてるし…。』

「このくらい大丈夫だC〜!」

「言っとくけど俺は怪我してないから。」


強がってるけど、滝君以外の三人のジャージの下から見える傷が痛々しい。

口ではああ言ってるけど、本当は無理しているんだと思う。



『彗歌。』

…え?雛歌?

『代わって。』



『…そんなんで動けるの?』

「…!!雛歌!!」

「え?ジロー雛歌って…?」

『僕のことだよ。』


僕は睨み付けるようにそう言った。

ジロー以外の三人には訳がわからないと言うように、僕のことを見ていた。


「え?どう言うことだよ??お前彗歌じゃ…。」

『そう言えば君達にはまだ自己紹介していなかったね…。僕は雛歌。簡単に言えば彗歌のもう一つの人格だよ。』

「…湖空先輩の…もう一つの人格??」

「!!まさか、部活や教室の時の豹変は…。」

『察しがいいね。そう、全部僕がやったことさ。』


僕はいつものようににっこりと笑ってみせた。












 

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あきゅろす。
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