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a man with a double character

 





「ねぇ、今どんな気分?絶望した?したよねぇ?ねぇ!!あはははは、あんたが絶望してくれて嬉ぃ!!湖崎マジグッジョブ!!あはははははははは!!」

「おい!!やめろよ!!」

「うるさぁーい。宍戸くんよぉ…今のあんたはミジメだよぉ、ふふっ、あはは!!外野は黙ってろよバァァアカ!!」


明花は宍戸に近づき、動けない宍戸を蹴った。


酷い。

酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い。


こんな人と向こうがフリだったとしても…友達と名乗ってたことに吐き気がする。


「ねぇねぇ、彗歌。今死にたいって思った?ねぇ?ねぇ!あはははははは!さぁ、どうな………っ!?」


明花は私の表情を除きこんで、言葉を詰まらせた。


だって、今………




僕は笑っているんだから。





「あ、あんた!!なんでわらっ、笑ってんの!?なんで、絶望した表情じゃ、ないの!?ねぇ、ね『うるさいなぁ。』っ!!」


どもっちゃって…怖かったのかな?

僕は無表示になりながら、明花を黙らせるために平手打ちをした。


正にクラスで一人の女子にやったように。


「い…いたぁぁぁあああい!何すん…っ!」


言葉を遮り、明花の前髪をつかんで僕の方を向かせた。


『絶望?はははは!!バーカ。僕は君が私のこと嫌ってたなんて知ってたよ。』

「…ぅえ?」


そう、彗歌は知らなかったけど僕は知ってた。

明花が彗歌を嫌いなことを。


今度は笑顔で明花を見た。

明花の顔はさっきとは一変し、恐怖の表示が見える。


『ふふっ、いいねぇ…私を苦しめた君が恐怖するのは。』

「恐怖?…そんなの…するわけないじゃない!!わ、私が?恐怖?…そ、んなわけ…。」


明花ばぶつぶつと一人言を言ったあと身体を震わせた。


「そう…恐い…こわい…怖い!!なんで、笑えるの?なんで?なんで?なんで?こんなに怖いの?なんで!」

『………。』

「……あんたの笑顔がこんなに怖いの?」


明花の前髪を離すと、明花は崩れ落ち頭を抱えて泣き出した。


しばらく黙って泣いているのを見ていると急に明花が立ち上がる。


「……あ、あはは、あはははははは!!そうだ、明日あんたは死ぬんだ…そうだ、死ぬんだよ。」

『……。』

「あはははははは!!死ね!そうだ、死ねぇぇええ!!あはははははは!!」


明花は狂ったように笑いながら屋上を出ていった。


最後に




「あんたは幸せになんかさせない。」





そう聞こえた。










 

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