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a man with a double character

 






「お前があいつと組んでいたんだろ!?」


宍戸が荒々しく声をあげた。


だが、明花は俯いてただ黙っているだけだった。


『…宍戸…、どういうこと?』

「こいつは…「あーあ、起きちゃった。」…!?」


宍戸の声を遮り、聞こえた声。


それは紛れもなく明花の声だった。


「起きんの早すぎー。」

『明花?…どういうこと?』


明花は一瞬顔をこちらに向け、私を睨んだ。


この表情、私は知ってる。


「………ふふっ。」

『……え?』

「あはははははははは!!あはは、おかしっ…はははははは!!」


明花は何かに取り付かれたように笑い続けた。

楽しそうに。楽しそうに。


それが、不気味だった。



唖然と明花を見ていると、明花はピタリと笑うのを止めるとニヤリと笑った。


「ねぇ、彗歌。私のこと友達とか思ってたぁ?思ってたよねぇ、ねぇ!?………バァァァァァァアアアカ!!あはは、私はあんたのこと大っ嫌いなんですぅ。ふふっ、残念でしたぁ。」

『……そんな。』

「そんなじゃないの。私はあんたみたいないいこちゃん大っ嫌い!!湖崎みたいにテニス部がどうのこうのじゃなくて、私はあんたと言う存在が気に食わなかった。ぶっちゃけ、あんたが湖崎のこと苛めてるとかないとかどぉーでもよかったんだよねぇ。てか、あんたが苛められてザマァって感じ。」


ケラケラと笑う明花は私の友達であった明花は何処にも居なかった。

まるで、美乱を見ている感覚だ。


そして、ショックが隠せない。


自分のせいで傷ついてしまった仲間。


友達だと思っていた人の裏切り。



もう、疲れた。


『…なんで……どうして…。』


私がこんな目に合わなければいけないのだろう。


なんで、私なの?


疑問に誰も答えてくれない。



聞こえるのは死神のような笑い声だけだった。










 

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あきゅろす。
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