a man with a double character
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「あら、ちゃんと来たんだぁ〜。」
『…用件は何?』
私は美乱に気付かれないようにボイスレコーダーのスイッチを押した。
美乱は気持ち悪く笑うと楽しそうに声を出した。
「明日で約束の三日目でしょ〜。だから、ちょっと邪魔者には消えてもらおうと思って。」
『…邪魔者?』
美乱は気持ち悪くニタリと笑った。
嫌な予感がする。
「ふふっ、屋上にでも行ってみたら?」
『!!?』
……まさか…これは…。
私は屋上までの道のりを走った。
途中男子生徒の集団が屋上の方から来ていたが、気にせず走り続けた。
屋上の重たいドアを勢いよく開けた。
『……そんな…。』
目を疑った。
それと同時に、不安は確信に変わった。
だってそこには…ボロボロになって倒れている宍戸達がいたのだから。
『……宍戸…ジロー…日吉…。なんで…こんなことに…。』
皆私の声には反応しなかった。
気絶しているらしい。
呆然と立ち尽くしていると、一人の女子が立っているのに気がついた。
その女子は明花だった。
私は冷静になどなれずに、明花につめ寄った。
『…明花!ねぇ、何があったの!?どうして、皆がこんな目に!?』
「………男の人たちが来て…。」
そこまで言うと明花は黙りこんでしまった。
大体は予想がつく。
多分、私が屋上を出たあとに美乱の取り巻きの男が来て宍戸達をこんな目に合わせたのだろう。
私の味方を減らすために。
足に力が入らなくなり、自然に足が床につく。
『…私のせいだ。』
私のせいだ。
私があんな手紙に軽々しく乗らなければ…。
皆がこんな目に合わずにすんだのに…
「……彗歌。」
『ごめんなさい…私のせいで……ごめんね。』
「彗歌のせいじゃない…私、男の人たちが皆を殴っているのに…怖くて…何もできなかった。」
『…明花。』
「彗歌、騙されんな。」
声の聞こえた方に反射的に顔を向ける。
『宍戸!!』
宍戸は立ち上がれないらしく、仰向けになりながら口を開いた。
「彗歌、あいつに騙されんな。」
『あいつ…?』
あいつって一体…美乱のこと?
あいつ、そう宍戸が言った人物を考えていると、宍戸が何処かを見ていた。
宍戸が見ている方向へと私も顔を向けてみる。
『……明花?』
宍戸の視線の先にいたのは明花だった。
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