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a man with a double character

 




あと…3日…

昨日、美乱が無理矢理言ってきたゲームの期限だ。


大丈夫、実は昨日雛歌にボイスレコーダーを持つように言われた。

昨日の会話も録音されている…

大丈夫、きっと…


『彗歌、早く行こう。』

…そうだね。


私は教室に向かった。


―――ガラッ


私が教室に入るとガヤガヤとうるさかった教室がシンッと静まりかえった。

そして、一気に視線が集まる。


…昨日、雛歌が暴れたからか…


……いや、何だか少し違うような…


『……何?』


思わず声に出してしまった。

何故か、数人ビクッと反応した。


「……彗歌。」

『…えっ?』


宍戸?

あれ…なんで……


『…名前で…呼んだ?』

「……ごめん。」

『…?』


なんで…謝って?

なんで…


「…昨日のお前と美乱の会話を聞いた。……ごめん、俺が間違ってた。」


そう言って、宍戸は頭を下げてきた。

宍戸が頭を下げると、クラスのみんなも頭を下げてきた。


『………』


どうしよう…

反応に困………あ、れ……

………雛歌…?


『今は変わって。』



『今更だね。』

「……えっ?」


本当、今更過ぎるよ。


『会話を聞きました、ごめんなさい。…都合が良すぎるとは思わないかな?』

「……。」

『今まで散々傷つけて来たくせに、自分の都合が悪くなったら簡単に許してもらえると思ってるの?』


コイツらはだだ加害者から外されたいだけだ。

さっきの僕の言葉で何人もの奴らが目を反らしたのがその証拠。

最低な奴らだね。


「…違う、そんなこと思って…」

『じゃあ、宍戸。君がそうでも他の人は?』

「……っ。」


やっぱり答えられない。

本当、馬鹿だ。


『ごめんなさい、はい、そうですかで許す程僕は甘くはないんでね…』


…彗歌なら、許したかもしれないけどね……

でも、僕はそうじゃない。


甘くなんてないんだよ。



『……僕は、許さない。』



僕は冷たく、冷たく言い放った。


お前らだって加害者なんだからね…。










 

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あきゅろす。
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