a man with a double character
▽
ゲーム?
なんだろう?
でも絶対に最悪なゲームだと思う…。
「ルールは簡単。彗歌が3日以内にみんなに真実をわからせたら、彗歌の勝ち。私はイジメをやめるわ。」
『……できなかったら?』
「死んで。」
唐突すぎる…。
なんてふざけたゲームなの?
『そんなの無理に決まって…。』
「あんたの父親いるじゃない。」
『…お、とう…さん?』
なんで、お父さんが出てきて…
「あの人、私の父の会社の部下なの。」
『…えっ。』
……嘘…でしょ?
お父さんが?
「あの人、離婚したら5000万渡すって言ったら、ちゃんと離婚してくれたんだもん。」
『…な、んで?』
「あんたが憎いから。」
そんな理由で私の家族をバラバラにしたの?
……酷い。
「フフッ、あの人あんたのことウザがってたし、よかったのよ。」
『………。』
言葉がでなかった。
ショック、絶望。
この言葉が再びよみがえってくる。
………お父さん…。
「このゲームに乗ら無かったら…あんたの母親を父親に殺させる。」
そんな…
……お父さんに、お母さんを殺させるなんて…。
「わかった?あんたはこのゲームからは逃げられないの。」
『……酷い。』
「酷い人だなんて思われたって良いわよ。…あんたに嫌われたって良いし。」
『……っ。』
最悪だ…
3日なんて無理に決まってる。
「じゃあ、明日から…」
まるで、新しいおもちゃを見つけた子供のようにうきうきした声で、美乱はこう言った。
「スタート。」
美姫はそう言うと、ドリンクを持って出て行ってしまった。
『…彗歌。大丈夫、僕もいるから。…絶対にあの馬鹿共に真実を…』
…うん…そうだね。
絶対に…負けない。
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