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a man with a double character

 

宍戸side



アイツは本当に湖空なのか?

昨日もそう思ったが、何が起きているのか…イマイチ状況が掴めなかった。

湖空に何かが乗り移ったような…そんな感じにしか思えねぇ……


俺が感じたもの…それは、恐怖だった。


「アハハハ、怖い?」

「…ごめんなさい…許してぇ…。」


あの女子はもっと恐怖体験だろう。

周りの奴らも全員声に出せないほどビビってる。


「あは、許さないよ。」

「…っ、ごめんなさいごめんなさい!!!…お願いだからぁ…。」

「ハハハハハハハハ!!僕に謝っても無駄さぁ。…フフフ、うさぎはもっと怖かっただろう…ねぇ!!!」

「…いやぁあ!!!」


湖空は女子の首近くの床にかけらを刺した。

アイツ、あの女子を殺す気かよ!!?


「ねぇ?」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」

「ねぇって聞いているんだけど!」


パンッ


湖空は謝り続ける女子を叩いて、無理矢理話を聞かせた。


「…っ。」

「他に誰がうさぎを殺すのに携わったの?」


そう言うと、怖ず怖ずと女子はよくつるんでいるグループの女子達を指刺した。


「フフ、ありがとう。…そこの男子。」

「えっ?」

「あの女子達を殴りなよ。」

「なっ!…そんなのできるわけ…。」

「ほら、私を殴ったようにさ。」

「………。」

「ほら、早く!!」


湖空は痺れを切らしたのか、花瓶の破片を男子の顔スレスレのところに投げた。


「ひっ、わ、わかったよ!!」

「ちょっ、止めて!!」

「あは、逃げたらダメだよ!!」

「ひぇ。」


湖空は逃げようとした女子達にも破片を投げて、動きを止めた。


アイツを止めなきゃいけねぇのに…

…足が動かねぇ。


「…っ。ごめん!!」


男子生徒が殴ろうと手を振り上げた。


キーンコーンカーンコーン


タイミングよくチャイムが鳴った。


「お前ら席に着け…何やってるんだ!!」


教師も来た…


「運が良かったね。」


そう言うと湖空は自分の席に着いた。


アイツは本当に湖空なのか?

あんなことするようなヤツじゃ…


………?


アイツは人をイジメるようなヤツだったか?


人を傷つけられるようなヤツだったか?


……まさか…な。










 

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