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a man with a double character

 



私は自分の部屋に入り、すぐに着替えてベッドに入った。


『……うっ。』


さっきの人は何?


美乱の取り巻き?

テニス部の人?


怖い


なんで私ばっかりこんな目に…


もう、やだよ…


私はどうすればいいの…?



「教えてあげる。」


えっ

何?この声は…


「お前なんていらないんだよ。」


私は、いらない…?


「お前は誰にも必要とされてないんだよ。」


………そう、だよね…

私なんて…


「だから…」


………?


「お前が死ねばいいんだよ。」


私が、死ねば?


そっか、そうすれば…






『……っ』


あれ?


夢、だったの…かな…?


……私が死ねば…

そうすれば…


私は開けてあった鞄から、キラリと光る物を見つけた。


『…これ。』


さっきのカッターの刃だ。

入れたままだったんだね…


『そうだ、これを使えば…』


私はカッターの刃を手に持ち、そっと左手首に持っていった。


そして…


スッ


『……っ。』


左手首を切った。


痛いし、ドクドクと血が流れる…


『…彗歌。』


…あ、れ?

私の声?


『彗歌はまだ生きなきゃダメだよ!!』


だって、さっき夢でも死ねって…


『夢は所詮夢だから!だから…』


…でも、でもでも…


『お願いだよ…生きて…彗歌。』


あっ…

ごめん、ごめんね


………雛歌。


『…やっと、やっと名前を呼んでくれた。』


ああ、そっか。

今日、私の変わりをしてくれたんだね…

だから、だから強かったなんて言われたんだ…


ありがとう、雛歌。


『…やっと、気づいてくれた……。僕がついてるから、死なないでね、彗歌。』


うん。



そして、私は眠りに付いた。


左手首の痛みを感じ、生きている実感を感じながら。







 

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