a man with a double character
¢
『……はっ…は……っ』
「いたぞ!!」
「早く追え!!」
私は今、美乱の取り巻きであろう男子生徒に終われている。
朝、学校に来たときにいきなき追いかけられた。
実は朝食を食べていない。
朝起きたら、いつも用意されている私の分の朝食は無かった。
そのかわり、無造作におかれた千円札があるだけだった。
もう、私にはお弁当は作ってくれないんだね。
寂しさと切なさを抱えた次は追われる。
さすがにキツイ。
色々な意味で。
「待て!!」
『…っ。』
私は次の曲がり角を曲がった。
ああ、もうダメか…
もう、体力が続かない。
諦めるしかないのかな?
「…こっち!」
『…!?』
私が諦めかけていたちょうどその時。
誰かの手によって私は空き部屋に入れられた。
そして、手で口を塞がれる。
…怖い。
……また、殴られるのかな…?
『…んっ!!』
「静かに。」
えっ?
「湖空はどこ行った!?」
「こっちじゃね?」
「チッ、捜すぞ!!」
足音が遠退いていく。
行った見たい…。
「…もう行ったみたいだね……大丈夫?」
『…えっ?』
殴られると思ったのに、心配の言葉をかけられた。
私はマジマジとその顔を見た。
『…じ、ろー…?』
「うん。」
ジローだった。
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