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a man with a double character

 


お父さんが出て行った後は嫌な沈黙が続いた。


お母さんはまだ泣いている。

私は涙なんて出て来なかった。

ただ、黙っていることしかできなかった。


「……、…ぁ……ぃょ………」

『えっ?』


今まで泣いていたお母さんが急に何かをしゃべった。

その声はあまりにも小さくて、私の耳にはとどかなかった。

だけど…


「あんたのせいよ。」


二回目の言葉ははっきり聞こえた。


『えっ?…お、母さん?』

「あんたのせいよ!!」

『……っ!?』


お母さんは私の首を掴んで来た。


その顔は……



狂い気に満ちていた。



怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い恐い怖い怖い怖い怖い怖い恐い怖い怖い


『……ぁ………ゃ…め……』

「あんたがいるから!!あの人は…あの人はぁ!!」


苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい


なんで私のせいなの?


私が何かしたの?



『……な……ん…でぇ……』

「あの人は言ったわ。………あんたのお守りは大変なんだよ、ってね!!」


信じたくなかった。

涙が込み上げてくる。


『……ぅ…そ……』

「嘘じゃないわ!!」


お母さんは今よりも強く私の首を締め上げてきた。


『……ぐぁ………ぁ゙……』

「…………あんたなんて、産まなきゃよかった。」


私の頭に浮かんだ言葉は



絶望



その言葉だけだった。


お母さんはゆっくり、私の首から手を離すと、黙って自室へと戻って行った。


最後に私を睨んでいきながら…





「死ね。」








そう、呟いた。







 

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あきゅろす。
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