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a man with a double character

 


家に帰ると玄関にあった靴が一つ多かった。


私はこれが父の靴だということがすぐにわかった。


私の両親は二人とも共働きで父はよく出張でいないことが多い。

だから、家にいることが少ない。


反対に母も働いているが早く帰る日があるので家にいることは珍しくはないのだ。


私くらいの年の子はよく反抗期で父親を一時期嫌うが、私の場合あまり合わないせいかそれはなかった。

逆に会えて嬉しい。


私は両親がいるであろうリビングに傷が痛むのを気にせず急いで向かった。


『ただいま!!お母さん、お父さん!!』

「…お帰りなさい。」

「…お帰り、彗歌。」



あれ?


なんか、いつもと違う?

何だろう、この胸騒ぎは。



「彗歌、ちょっと座って。」

『うん。』



お母さんは私を隣に座らせた。


その表情は暗くて、暗くて…


「彗歌。よく聞きなさい。」

「うん、何?お父さん?」


いつも優しいお父さんがこんなに真剣になるのは珍しい。


どうしたのだろうか?


そう考えるのと同時に私の胸騒ぎが、嫌な予感へとかわった。


脈打ちが早くなる。


心臓がドクドクする。


「彗歌、私達は…」


嫌だ。


この続きを聞きたくない。


お願い、言わないで!!





「離婚することになった。」







頭が真っ白になった。









 

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あきゅろす。
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