a man with a double character
≠
唖然としていた私は、急に身体が震えだした。
目からは涙が出てくる。
その涙は止まることを知らないように
ボロボロと流れ落ちた。
この時私は"昨日みたいに楽しい時間に戻れるのだろうか?"
そんなことを考えてしまった。
みんなの言葉がぐるぐると頭の中を回る。
そして聞こえるもうひとつの声。
それは私の声に似ていた。
否、私の声そのものだった。
『 』
その言葉は私の震えを止めた。
涙を止めた。
何故か安心出来た。
その時、チャイムがなり、それと同時に跡部の声が聞こえた。
「テメェら!今日は終了だ!!」
ああ、もうこんな時間か…
私は誰かが入ってくる前にすぐに準備をすませ部室から出た。
今はすぐに帰りたかった。
部員と顔を合わせたくなかった。
私は自分の家へと足を進めた。
『大丈夫、僕がいるから。』
start…始まり
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