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アナ聖伝
01



「リューイ!もっと集中して!体の中のエネルギーを感じて!」

「はい。」



リューイはエレナの部屋でセレの訓練をしている。

クレイブが任務に出てから3日たっていた。





エレナが声をかけると、リューイの体から気が満ちてくる。

「そう。もう少し!集中して!」




パァン!



「あーまた失敗。」

リューイが残念そうに口を尖らせた。



エレナのアドバイスで、リューイ自身のエネルギーをイメージすることは出来るようになった。

しかし、精霊エネルギーのセレのイメージがどうしてもできずいつも途中ではじけてしまっていた。



「でも今日は集中できてたんじゃない。」

「そうかな!」

エレナの一言にリューイはパッと顔を輝かせる。



「でも、リューイくらい才能があればすぐに出来ると思うんだけど。きっと使えてたころはすごくうまかったはずよ。」

エレナは分析するように言った。

リューイもその言葉に考え込む。




「セレを使うのに頭で考えたことが無かったの。今でもなんだかしっくり来ない感じだし…。」

リューイの言葉を聴いてエレナがしゅんとした顔をする。

「そう…。私の教え方が良くないのかしら。」

落ち込むエレナにリューイはあわてる。




「そんなことないわ!エレナのお陰でここまで出来るようになったんだもの!感謝してる!!」




リューイのあわてぶりにエレナは救われた様子だった。




「そういえば最近そのペンダントしているよね。どこで買ったの?」

気持ちの切り替えが早いところが、エレナの良いところだ。

しかも、リューイがクレイブからもらったペンダントをしっかりとチェックしていたらしい。





「バンスの市場で買ったの。きれいな髪飾りとかもあったから今度いかない?」





クレイブのことを思い出して顔の赤いリューイに少し不思議そうなエレナだったが、送り主を知らないので「そうね!」とだけ答えた。


エレナと分かれてからリューイは一度部屋に戻った。


自分の剣を手にして訓練場に向かう。




「遅え。」




リューイが部屋に入ると1人の人影がいた。




「ごめんなさい。剣を取りに戻ったら遅くなっちゃって…。」




リューイが話しかけた相手はショーンだった。

横にはトイもいた。

トイはショーンの言葉に講義の声を上げる。


「ショーン!リューイさんは命の恩人でしょ!」



トイの怒りにショーンは耳をふさいで「うるせえな。」というとリューイに向き直った。




リューイはショーンに頼み込んで剣の訓練をしてもらう約束を取り付けていた。


このことはエレナもカイも知らない。

もちろんクレイブも。


相談したトイは心配して暇を見つけて顔を出してくれていた。




「俺はクレイブのように優しくないぜ。構えろ。」

「はい。お願いします。」


リューイは剣を抜いて構えた。



キィィン!!



「構えを解くんじゃねぇ!!敵は待ってくれねえぞ!!」

「はい。」



ショーンは意外にもリューイの訓練をしっかり見てくれていた。

リューイは汗だくになって剣を振るう。



―ショーンはやっぱり強い。




リューイは剣を振るいながら思った。

クレイブも強いが、ショーンもクレイブと互角に戦うだけのことはあった。




自分がどれだけクレイブに手加減をしてもらっていたのか分かる。




「はっ!」

「焦るな。相手の動きを良く見ろ。」



リューイの攻撃にもショーンはまったく動じない。



リューイは毎日欠かさずセレと剣術の稽古を行った。



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あきゅろす。
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