10 「黙ってるのは何? 肯定? 俺からしたら、あいつは絶対許せないのに、蜜香は違うんだ? あんなにイチャイチャして…」 『イチャイチャなんてしてないッ!』 「は? あれは誰がどぉ見ても"イチャイチャ"じゃんか。 皆が何を噂してるのか知らないの?」 うわさ? 意味がわからなくて首を傾けると、フンと鼻を鳴らして夏樹クンが答えた。 「"谷口蜜香は戸塚蒼に飽きて3年の男を誑かしてる" "隠していた容姿を武器に、とっかえひっかえ遊びまくりだ" ってね。」 『なっ!』 ん、で…? また同じなの? また私? どぉして、 『私ばっかり…』 「あーー蜜香チャン見っけ! 探したんだよ? 電話も出てくれないし。」 廊下に響いた先輩の明るい声。 私たちの気まずい雰囲気に全く気付かないで、話を進める。 「一緒にご飯食べようぜ〜」 はぁ… どぉして次々と問題を寄せ付けてしまうんだろう。 力斗先輩に懐かれたから? 蒼を好きになったから? ううん、あの頃から。 つまり、問題児は私。 ⇒ Next . ◇back*◇next# [戻る] |